2021年7月24日土曜日

2021夏 東北③

 東北ツーリング三日目。
 4:00過ぎと少し早く目が覚める。海を正面に据えると右手から陽が昇ってくるのが衝撃的。海が北にあるからだ。常識が常識でなくなる。旅の一コマ。

 図らずも同じキャンプ場で夜明かししたサイクラーと話す。彼も朝早い出発でキャンプが目的と言うより予約に縛られず、自由に走りたいからのようだ。設営後は早々にテントの中へ入ってしまい、無駄な荷物は持ってない。ストイックだ。
 自分はバイクというので甘えて荷物が多くなってきている。あれがあれば便利、今度はあれを買い足そうなんて。でもキャンプそのものを楽しむわけでなく、走りメインでキャンプは予定に縛られない旅にするため、というのであれば荷物は減らすことが出来るはず。結果的に設営、撤収が早くなるし荷物も軽くて済む。

①岩木山
 今回の旅における目標のひとつ。それが岩木山。
 ネットで見掛けた嘘のような道。山頂を目指してヘアピンカーブが幾重にも続く嘘のような道。

 まるで冗談のような線形をした道なので、最初はアルプスかどこかの海外にある道だと思った。しかし調べるとそれは「岩木山スカイライン」という道で、青森県にある観光道路ということだった。実際に走るとどんなものだろう。東北方面へツーリングへ行く際、必ず行こうと思っていた。

 ほぼ一番乗りでスカイラインへ着く。地図にあった通りヘアピンの連続で山頂へと登っていく道。カーブ総数69。たったの10分ほどで山頂へ到着してしまう。赤城山や碓氷峠を考えればカーブ数的にこんなものか。
 しかし山頂から広がる大パノラマには遠くまで来たなあと感慨深くなった。手のくわえられていない自然がそのまま残る白神山地が広がっているからか。

②弘前城
 岩木山の感動を後にして弘前城を目指す。津軽家のお城にして現存天守の一つ。知らなかったわ。四角い外堀の中に四角い中堀があって、更に四角く内堀があるという方城。都市開発で潰されることなく、三の丸までしっかり残っているのは珍しい。
 現存天守は土台に当たる石垣が耐震改修工事をされているようで、天守は本丸公園に移設されていた。こじんまりとしているが、堀や縄張りがしっかりしているいいお城だと思った。石積み工事も無事完了して今後も末永く維持して欲しいと感じた。

③やまなみロード、メロンロード
 弘前城を後にし、津軽半島最北端である龍飛崎を目指す。岩木山を見ながらのんびり走れる広域農道「やまなみロード」と引き続いて海沿いを走っていく「メロンロード」へ。東北日本海側を走っていて思ったのは、風力発電の風車が大量にあるということ。これも脱炭素社会へのステップなのだろう。

④龍飛崎
 国道339号線へ入って「龍伯ライン」。津軽半島先端を通るワインディング。これを越えると龍飛崎となる。青函トンネル本州側基地。津軽海峡冬景色。全国唯一の「階段国道」部分があるなど、いろいろ話題のある岬となっている。

  せっかくなので何か腹ごしらえでもと思ったが、名物はまぐろやウニといった海産物。どうも食べる気がしない。

⑤青森
 国道339~280号線にて青森市へ。この旅唯一のホテル泊。シャワーが恋しい。
 道中あまりにも眠くって綱不知海岸の駐車場で一眠り。やっぱり朝が早すぎたかな。その後は特に問題なく青森市アパホテル到着。
 荷物を整理して市内観光。「味の札幌 大西」にて名物の味噌カレー牛乳ラーメン(バター入り)を食す。んー。名物と言うほどおいしいか、これ?量だけは多かった。観光客向けとしては、聞いたことのないスープだしインパクトもあるけれど、地元の人間だとしたらもう一度食べようとは思わないんじゃないかな。

 青森は北の果て。郷愁を感じる風景を思い描いてしまう。JRの青森駅へ。すべての路線の終着駅と勝手に想像しながら路線図を見れば、普通にこの先へ列車は続いている。津軽半島と下北半島をつなぐ中継地と言えばその通りなわけで。
 自分のイメージの中にある青森は、本州の最果て、閉塞感のあるどん詰まり。薄暗く灰色の空。しかしそんなイメージは間違っていた。何を知った気になっていたのだろう。

 本日の走行距離279.8km。

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