2016年8月22日月曜日

カルドセプトリボルト


 カルドセプトシリーズ久しぶりの新作だったことと、開発をしているといった情報がまったく入っていなかったので、正直驚いた。
 パッケージ版を買おうかとも思ったが、手軽に遊べるからとダウンロード版を購入。ダウンロードにはとても時間が掛かった。

 今作は前作と異なり完全新作。情報をほとんど入れずに遊んだため、ルールが大幅に変更されていたことに気づかず、攻撃における隣接拠点からの支援効果がなくなっていたり、ダウン効果という行動制限といった新ルールにしばし戸惑う。
 カードが弱いことも相まって序盤から敗北を喫し続けるという辛い展開。またステージをクリアすれば自動的にカードが集まるわけでなく、ストーリーをクリアしていくにつれ解禁されるカード類が決まっているなど、たった一枚手に入れたの強カードを軸に勝利にすがりつくということは出来ない。
 また目標魔力達成しても城へ辿り着かなければ勝利とならなかった前作までのルールと比べ、今回は最寄りのゲートに到着すれば終了のため、最終版の熱い戦いは起こりにくい。マップ自体も狭く、大差をひっくり返すのは難しい。
 その分スピーディな展開になるかと思いきや、複数CPUとの乱戦、同盟戦が多いので、思いの外時間は掛かってしまう感じ。

 カードはセカンドとサーガの折衷案といった種類の新カードが増えた。複属性はないものの、水クリーチャーだが風領地でも地形効果を得ることが出来るとか、火地の領地からステータスの恩恵を得られる火クリーチャーという具合。
 これまでの単色ブックから二色ブックへの萌芽は見られる。実際序盤は単色にこだわるとCPUの制圧スピードに追い付けない。
 ただし「ケルピー」は相変わらず協力なので、ファットボディを絡めた単色ケルピーブックさえあれば、結局はどんなCPUが出てきても負けることはない。特に「不屈」を絡めたケルピーブックはCPU戦においては最強である。

 シナリオは複数シナリオとなり、ひとつのストーリーが終わってもその続きが始まるなど飽きさせない。謎が謎を呼ぶ物語展開は先が気になるものの、無理やり作ったサブストーリーが足を引っ張っている感じはある。本来は戦う必要がない戦いを行わなければならないからだ。
 また全体マップがなく、ツリー状になったシナリオ分岐を選択していくだけというのはビジュアルだけでなくゲーム世界観への没入を妨げて残念。これはシナリオ展開上致し方なかったことなのだろうが無味乾燥すぎやしまいか。
 セカンドのような「シャドー」との戦い、サーガのような「輪廻」などシナリオ展開としては興味深いものが感じられただけに細部が気になってしまった。

 今回はまだシナリオクリアしたばかりなのでカードが揃っておらずネット対戦は行っていないが、このルールで行われる対人戦はどんなものだろう。腐ってもカルドセプトなので、ある程度のバランスはとれているとは思うがいささか不安。
 また今回も携帯ゲーム機で発売となったため、チャットを楽しみながら遊ぶということが出来ずに残念だ。ドリームキャストやXBOXで遊んだ時のように、会話しながらゲームを楽しみ、フレンドが増えていくという体験はもうできないのだろうか。

2016年8月3日水曜日

DreadOut

 Steamにて購入。インドネシア産のホラーゲームとのこと。2chまとめか何かで、PC版ホラーゲーム紹介にて発見、デモを見て購入してみた。値段も破格だったし。開発メーカー自らうたっている通り、「零」シリーズに雰囲気が良く似ている。

 遊び始めて海外ゲームだなぁと感じる出来。いきなりほおり出される感じでゲームが始まり、状況説明も何もない。チュートリアルも少な目だし、亡霊との戦いも死角から攻撃されることが多くてわかりにくい。
 この亡霊との戦いが、影写機を使う「零」をモチーフにしたのか、「スマホ」にて行うというもの。「零」同様、亡霊をカメラで撮影するとダメージを与えられるのだ。また主人公が女性で、閉鎖された建物が舞台という雰囲気も似ている。
 しかし前述のとおり投げっぱなし感たっぷりなゲーム展開が、このところ国産の新設設計コンシューマーゲーム漬いていた自分にはいささか厳しい。

 チャプター0ですでに詰まり気味。ろうそくが三本あるところまで来たのだがどうすればいいのか?他のゲームを進めるべきか?

あなただけ割引

 任天堂が面白いサービスを開始した。
 それは「あなただけ割引」というもので、任天堂アカウントと連動して、専用の割引きサービスが配信されるというもの。これまでのクラブニンテンドーサービスが終了発展スタートの格好で、春先からスタートしている。
 「あなただけ」という割には会員全員割引だったり、購入ソフトの追加コンテンツサービスだったりと、これだけであれば別に面白くなく、グッズなどがもらえたクラブニンテンドーの方がよっぽど良かった。

 しかし今回始まったWiiソフトダウンロード版のキャンペーンがなかなかいい感じ。まずラインナップとしてディスク版は割高になっていた「ゼノブレイド」や、買おうと思いつつ先延ばしにしていた「零」が入っているのがうれしい。
 ディスク版をすでに持っているので購入しなかったが「みんなのリズム天国」など、人気作をきっちり揃えてきたのは好感が持てる。

 これだけであれば、昨年から始まったWiiソフトダウンロード版の早期購入キャンペーンとあまり変わるところがないのだが、今回はPCでソフトを購入すると、WiiUの自動ダウンロード機能と連携して、「いつの間にダウンロード」されているところ。
 WiiUはCPUのせいなのか、任天堂がOSを作るのが苦手なのか分からないが、ニンテンドーショップなどネット周りの処理が重い。それでも利用しなければダウンロードソフトが買えないということで我慢していたのだが、PCで購入しダウンロードも自動でやってくれるとなれば、今後はPC版ニンテンドーショップとして使いやすくなるわけだ。

 WiiUはいろいろ残念なことが多すぎた。そもそも3DSの出足の鈍さに引きずられる格好でスタートダッシュ失敗。そのイメージをひきずってサードパーティ撤退などなど、悪いニュースばかりとなってしまった。
 しかし使ってみてわかる二画面操作の利便性はもとより、スプラトゥーンで見せた任天堂のソフト開発力と自力、まだまだ活用の余地があるamiiboとFelica機能、そして今回のネットワーク関連。こうしたシステム周りがきちんと揃った上で発売されていたらと残念な気持ちだ。

幻影異聞録#FE その3


 幻影異聞録。やっとクリアしました。意外と時間が掛かった。

 前回レビューした時は五名パーティだったが、最終的にはロリ小学生とナル俳優が加わって総勢七名のパーティとなった。
 武器は開発するだけでなく、強化できるようになり、各キャラクターのパッシブスキル(レディアントユニティ)も育てなきゃで、どうしても育成に時間が掛かるように。人数が増えたので猶更。
 またダンジョン(イドラスフィア)も各ステージごとギミックが違い、攻略するのに一苦労。最終ダンジョンなどはパズルめいた要素も含んでおり、なかなか手こずった。

 時間が掛かったけれど、投げ出すことなく楽しめたのは、ひとえに戦闘シーンのスタイリッシュなシステム。属性をあわせて攻撃すればセッションというコンボ攻撃が始まり、戦闘に参加していないメンバーも攻撃をしてくれるので大打撃を与えることが出来る。
 また敵味方の攻撃順が表示されているので戦略を練ることが出来、比較的弱めな敵を倒して頭数を減らそうとか考えられて楽しい。
 通常攻撃の演出はスピーディでいてカメラもよく動いて爽快感があるが、ランダムでアドリブパフォーマンスやデュオセッションなどが入ったりして飽きさせない。こうした戦闘の楽しさがあったればこそ、キャラクター育成に時間を取られてもついて行けたのだろう。

 ストーリーとしては終盤となって初めてファイアーエムブレムとの関連が明かされ、主人公もマルスのいでたちになったりとファン感涙の演出。自分はファンではないのであまり思い入れはなかったが。
 展開としてはありがちなものだったが、レビューその1でも述べた通り、このありがち感がJRPGの一要素として楽しめたかな。

2016年8月2日火曜日

シン・ゴジラ

 仕事が休みになったので、初日に観に行きました。モーニングショーで入場により鑑賞料金を安くできたため、一度体験したかった4DXシアターを選択した。
 思っていた以上にシートは動き、煙やら水、フラッシュなどの演出も頻繁にあり刺激的。ただし映画を鑑賞するというより、遊園地などのアトラクションに近いように思えた。一度体験すればもういいかな、というような。通常料金で入るとかなり高いというのもネック。
 通常のシアターをさらに向上させたものとしては、やはりアイマックスシアターがダントツだなと思った次第。

 シン・ゴジラは当然ネタバレ防ぐためにまったく情報をカットして鑑賞。観終った感想としては84ゴジラと似ていたな、というもの。つまらなくはなかったし、東日本大震災以降続く天災に見舞われた日本。ゴジラという史上最大の災厄を天災のメタファーとして、復興していくというメッセージも伝わった。
 敗戦国にして唯一の被爆国たる日本が、水爆実験にて再び漁船が被爆するという不幸にあった時にゴジラが生まれたという意義、メッセージと同様の主張を感ずる。
 東日本大震災にて福島原発における核物質飛散という事故に対して、東宝がゴジラを通して何かを訴えるといった行動を取れなかったことに対して不満を感じていたが、今作はゴジラ映画でスルーされがちな放射能という問題を正面からとらえていることもあり、前述の復興への強い気持ちと相まって良い作品に仕上がったと思う。

 また84ゴジラと似ているなと思った。84ゴジラが原点回帰、初代を意識した結果、ああしたものが出来上がったのだが、今回のゴジラも時代背景に違いはあれど、同じような経緯、原点回帰を煮詰めた結果、似たようなものが出来上がったというのは興味深い。
 実際制作側も意識していたと思われ、核ミサイルの発射に対する、

 84版「ニューヨークやモスクワに核を撃てるか?と言ったら(発射の中止を)納得してくれた」
 シン版「たとえニューヨークでも(核ミサイル発射という)決定は変わらない」

 なんてセリフにもそれが伺えた。これは完全に84年版に対するオマージュだよね。
 今回のゴジラを見終えて初代、84年版をDVDにて再鑑賞したのだが、これまでイマイチだと思っていた84年版が割と良い作品に思えた。沢口靖子と武田鉄矢が台無しにしてるが。

 予算の都合もあり、ゴジラによる破壊シーンや自衛隊との戦闘シーンは控えめ。主に政府関係者が硬直した官僚社会の中で非常事態にどうやって対応するかと言うドラマが中心。これ自分ら大人が観たら見応えはあるが、子供にはどう映るのだろうね。そうしたエンターテインメント作品としてはギャレゴジが一枚も二枚も上だった。
 あと、最後の最後になってゴジラの放射能は半減期が3年とかいうセリフ。これは必要だったのか?
 しかしこうした真面目なゴジラ。空想科学映画としてのゴジラを求める層が平成VSシリーズや続くミレニアムシリーズに対し苦々しい思いを持っていたとしたら、これらに対するアンチテーゼとしてありだったと思うし、日本人にしか撮れないゴジラであることは間違いなかろう。