2018年10月8日月曜日

マジェスティ インプレッション


 先月契約したマジェスティが二週間ほどして納車された。奇しくも誕生日前日となり、思いがけないプレゼントとなった。
 改めて見る車体は割と小さな傷が多く、特にすり抜け時についたかのような擦り傷やガリ傷が目立つ。もっとも中古なのだし、極上車であれば走行距離からして40万円後半から50万円台が相場なのだからあまり気にしない。傷は手直しできるけど、走行距離は減らすことが出来ないし、消耗部品の交換を考えれば持ち出しが増えてしまう。

 通勤に三日ほど乗ったが、やっと念願の休日。箱根から伊豆へ。渋滞の少ない西伊豆経由して沼津経由で東名に乗るという半日コース。市街地・峠・高速道路という様々なシチュエーションでマジェスティを堪能した。
 生憎箱根峠は深い霧。十国峠方面へ行く気が起きず、伊豆スカイラインはキャンセルして三島へ。伊豆縦貫道から西伊豆スカイラインを目指した。
 少し道に迷いながらも西伊豆スカイライン到着したが戸田峠も霧に包まれていた。しかしこちらはは無料だし、海側に開けた西天城牧場は晴れているだろうと信じて進む。予想的中でこちらは霧が抜けていた。
 以下国道136号線から県道17号線と市街地海沿いコースを進み沼津へ。給油してから新東名~東名にて帰宅。予定通りの半日コースで、午後は細かな傷や汚れをとるため洗車を行った。

 前車であるフェイズとの比較。ビックスクーターとしては200kgを切る軽量。電子制御式AT。スポーツ志向と似た部分がある。しかしハイポジションのフェイズに対して、マジェスティはローアンドロングのクルーザースタイル。このあたりの違いはどうか。

1.仕様
 マジェスティ(以下、マジェと略す)とフェイズのデータを比較すると、面白いことに車体サイズやホイールベースはほとんど違いがない。シート高からくる印象の違いでマジェの方がホイールが長く感じるし、車体も大きく見える。
 注目の違いはやはり馬力。マジェ19馬力に対してフェイズ23馬力。原付一台分の差がある。マジェの19馬力というのは150ccクラスかと思うくらい非力。
 
2.走行性能
 しかしマジェは走り出すと数値以上によく走る。ノーマルモード同士であればフェイズと遜色ない。むしろ中速域の爽快感はマジェか。最大トルクの発生が早いためか。出だしの低速域ではフェイズの方が静かでスムース。マジェスティは「ドドドドド」と単気筒らしいというか、スクーターぽい振動を伴う。非力感を感じる部分。
 電子制御ATは馬力に勝る上、7千回転まで引っ張るフェイズのS7モードが圧倒。ただしI-Sボタンの利便性も捨てがたい。フェイズではギアを落とすにはスロットルダウンするしかなく、エンジンブレーキを掛けたい場合は使いにくい。
 最高速はほぼ同等だが、馬力が上のフェイズに余裕を感じる。マジェは120km/h出ないと思っていたが、東名では下り坂ということも手伝ってメーターを振り切(140kmオーバー)ったし、I-Sを利用した一瞬の追い越しも問題ない。平坦な道でも120オーバー出来る。もっとも120km巡行するのはエンジンが悲鳴を上げそうで、追い越し車線に居座るのは無理。
 コーナーリング時、キャスター角はほぼ同じながらトレール量の差でフェイズの方が旋回しやすいと思っていたが、マジェは低重心からくる安定性、安心感があり思いの外旋回しやすい。
 ただし総合スピードはフェイズに軍配が上がるようで、過去県道17号のような狭い道で車に突かれることはなかったが、今日はミニクーパーにしっかりついてこられてしまった。また遅い車の後ろについて走るとフェイズはイライラして抜きたくなるが、マジェは比較的のんびり走れる。互いのスピードの乗り、加速の違いからくる性格の違いだ。

3.燃費
 マジェ懸案の燃費はなんと29.7km/L。アシストモード多用した割にフェイズと同等。燃費は20km/L程度と聞いていたので嬉しい誤算。今後、通勤で使ってどうなるか興味深い。

4.乗り心地
 サスペンションの違いから乗り心地はマジェに軍配。段差を超える時にフェイズではガツンとショックが来るのに対し、マジェはスムーズに乗り越えてくれる。もっともどちらも小口径タイヤなので路面の凸凹は拾うし、スムーズとは言えマジェもガツンと来ることはある。
 フェイズは一時間弱の通勤でもお尻が痛くなってくる。これは足つきを良くするためシートの前側を絞って小さくしたため。比べて大きなシートのマジェは楽かと思ったが、半日ツーリングの途中でお尻が痛くなってしまった。ビクスクは足を投げ出して乗るため体重がお尻の一点に掛かることになり、結果的に痛くなりやすいのだろう。ドライブポジションから来るビクスク全般の宿命なのだろうか。
 スクリーンはフェイズに比べて低いので当然風を受けるが、整流が上手く不快感がなく寧ろ心地いい。フェイズはヘルメットのシールドを開けていると、下から押し上げるような風が来るので眼鏡が圧迫される。マジェはそんな不快さがなく風を感じて走れて楽しい。フェイズの大きなスクリーンは肩口までほぼ無風。結果体は楽だが風を感じて走るというバイクならではの楽しみが味わえない。過去フェイズでツーリングに行こうと思えず、CBRに乗ると何故か楽しかった理由がわかった気がした。
 ホンダ自慢のコンビブレーキだが、リアブレーキで車速調整をすることの多いスクーターでは独立していた方が使い易い。カーブや低速走行などリアを引きずりながらバックトルクを発生させて車速を調整したい場合、コンビブレーキだと止まろうとする力が働きすぎる。また停車する時もマジェの方がブレーキをコントロールしやすく、これはモノサスがリアタイヤをしっかり押し付けているためだろう。
 こうした違いから加速や平均スピードではフェイズに負けるものの、マジェの方が乗り易いし楽しい。

5.その他
 使ってみて一番の長所は大きなトランクルームとスマートキー。どちらもフェイズではカスタムしようがない欠点。フルフェイスヘルメットを問題なく収納できるというのが素晴らしい。コンビニなどちょっとした買い物や休憩にてキーを抜く必要もなくバイクから離れられるというのも使ってみて初めて体感できる利便性だった。
 サイドブレーキも便利さを実感できる機能。坂道の信号待ちなどで両手を離して一息できるというのは快適。

6.マジェスティ補足
 本日初めてがっつり乗って感じたこと少し。
・スロットル
 フェイズに比べてガバっと開かないとレスポンスが悪い
・ウインカー
 ストロークが長い
・ボタンの配置
 ウインカー、ホーン、I-Sと左手親指で操作するボタンが同じような位置にある
 ウインカーとI-Sは常用するし、ホーンは緊急時にすぐ押せないといけない
 これ以外の配置はなかったかと思うが、であれば形状は何とかならなかったか
・フロントポケット
 常用するであろう右のポケットが左に比べて小さい
 奥行きが足りないので500mlペットボトルが入らない
 鍵付きだったフェイズと違いボタン一つで開くのだから左をメインにすべきか
 しかし利き手の関係で右の方が使いやすい

 総じてマジェスティには大満足。さすが新車価格70万円超えだけのことはある。X-MAXやNEWフォルツァを見る限り、この路線のスクーターは今後生産されないとしたら残念である。
 

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