2017年12月19日火曜日

エイリアン:コヴェナント

 今日は何を観ようかとアマゾンプライムを調べてみたら、今秋公開されたばかりのエイリアン:コヴェナントが配信されていたので有料ではあるがさっそく観ることにした。
 本来は映画館へ行こうと思っていたが前宣伝の割りに公開時期がはっきりせず、そういえばと思って調べ直したところ公開が終了していた作品。エイリアンといえばSFホラー映画の金字塔にしてシリーズ作がいくつも出ているのにこの扱いかと驚く。ホリデーシーズンに上映されるでもなくひっそりと公開され終了していく。先だって観たブレードランナー2049にしても同様だ。
 これは劇場収入があまり見込めず、であればサクッと上映してしまい、レンタルビデオで回転させたほうが儲かるということなのだろうか。。70年~80年代に本編を観た世代がまだ健在であるのに勿体ないと思う。せっかくのシネマコンプレックスが無価値にすら感じる。
 これまで映画鑑賞料金が高すぎたことで、映画を見るのはもっぱら自宅のDVDでというのが主流になってしまった弊害なのだろう。今ではレイトショー、年齢や性別による割引などで千円程度で気軽に観れるようになったが、周知されていないのか。

 前作は「プロメテウス」という題名にしてエイリアンシリーズから逃げた格好となったが、今作は題名に「エイリアン」を入れてシリーズに向き直った。これは前作の興行的評判的な失敗を鑑みてのことだろうか。
 実際今作ではギーガーがデザインしたビックチャップと同じ造形のエイリアンが登場する。CGで描かれるのでスピーディに動くものの、何か怖さを感じさせないのは全身を見せすぎだからか。野外におけるエイリアン(プロトタイプ)の襲撃や、脱出時における貨物船上での戦闘などは新しい映像ではあるもののエイリアンぽくなく、かと言って母船に戻ってからの何度目かの死闘に至っては「おいおい、またエイリアン1をやり直すのかよ」と辟易としてしまった。
 さらにエイリアンは物語の主役ではなく、アンドロイドのデビットが主人公となっているのも後のシリーズとは大きく異なる点。人によって作られたアンドロイドが自らの能力に目覚め、また人間のように種を繁栄させることのできないことから、我が子たるエイリアンの誕生に執着する。まさに親殺しを題材としたエディプスコンプレックスが垣間見えるが、果たしてこの映画を見に来たファンに届くのかと言えば疑問。
 また「プロメテウス」と同様、登場人物の行動に対し馬鹿さ加減ばかり目立ってしまう。一度目の医務室での血に滑ってひっくり返るのはわざとか?二度繰り返すということは笑うところなのか?
 エイリアンVSプレデターもシリーズ公開され、いまやエイリアン単独では怖さが足りないから安売りするしかないのかも。であればリメイク(リボーン)する必要性を感じられないし、結局この映画は「エイリアン」第一作に続く結末になっていないせいで話は終わらず、いったい何が言いたいのか分からない。まさにあってもなくてもよい映画となってしまっている。
 何でホリデーシーズンにて大々的に上映しなかったのか?それはそれほどの作品ではないから、というのが答えなのだろう。

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