2017年12月22日金曜日

キングコング:髑髏島の巨神

 レジェンダリー版「ゴジラ」(ギャレゴジ)から始まるモンスター映画のシリーズということで、期待しつつ劇場へ行こうと思っていたが、気がついたら公開が終わっていたシリーズ。今回の骨折で・・・(以下、略)。
 オープニングの一コマに「ムトー」と出ていたり、「モナーク」という組織が存在するなど、ギャレゴジのシリーズだよと言わんばかりの設定を最初から打ち出している。エンディング後のラドン、モスラ、キングギドラを想起させられるシーンもとてもいい。個人的に「アヴェンジャー」は興味がなくて見ないが、そのファンたちの心理がわかる気がした。
 映画の内容はもう本当、ただのエンターテイメントモンスター映画。テーマもくそもない感じ。キングコングも冒頭から出し惜しみなく登場する。
 こないだ見た「エイリアン:コヴェナント」と違って馬鹿すぎる軍人(サミュエル・L・ジャクソン)の行動に腹が立たないのは設定と演出の違いなんだろう。向こうは巨額の予算を講じて宇宙船のCGを作り、こちとら高尚なSF映画でございと鼻高々にしているからこそ科学者の行動に馬鹿じゃない?と言いたくなるわけで。一方の「キングコング」は70年代のベトナム軍人だから、まあしょうがないか馬鹿でもと納得してしまうのであった。サミュエル・L・ジャクソンだしな。
 主役はあくまでもキングコングだから元SASの主人公は雰囲気だけでまったく活躍しない。軍人と合流後、まずは北の合流地点へ向かって出直せばいいのにそれをせず。帰りは川への道を見失う。最後は船に向かってくるヘビトカゲに対して「俺に任せろ!」と別方向へ走り出し、このあと何かするのかなと思う間もなくコングがトカゲにハードパンチをぶちかまして見せ場終了。笑えた。
 また今作はあくまでギャレゴジを第一作とする「モンスターバース」シリーズであることに徹底しており、初代「キングコング」とそのリメイクのようなコングとヒロインとの愛情の芽生えがほぼ描かれないのもいい。それらしい振りはいくつかあるのだが、その後のシリーズが控えているからと言わんばかりに愛情を深めることはない。
 ピータージャクソンの「キングコング」に比べれば、感動する部分は本当まったくないが、自らの立ち位置をしっかり理解して、今後のシリーズにつなげるための作品としてエンターテイメントに徹した作りは好感を持てたし分かりやすかった。面白かった。テーマんなんて糞くらえ!謎なんていらない!

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