2017年12月22日金曜日

ウルトラマン(2004)

 大人向けのウルトラマンとかで評判がよろしかったので観てみた。残念ながら終盤の新宿での戦い以外はイマイチだった。子持ちのウルトラマンというのは新しいが、そもそもウルトラマンは子供向けだし、この映画を子供が見ても感情移入するところがない。
 ウルトラマンの造形も甲冑を着たどちらかというと仮面ライダーのような感じがして受け入れられないし、もっとも昭和のウルトラマンシリーズまでしか知らないのだが。
 登場人物も無個性でこの作品ならではの設定がない。病に侵された息子のために自衛隊を退官する主人公。最愛の恋人が宇宙から来た青い彗星によって怪物に変身してしまった女性科学者。高圧的で思慮の欠片もない武官などなど、どっかで見たような設定ばかりで、しかも予想通りの行動しかしない。
 しかも大人向けという割には予算がしけているのか見るからにちゃちいシーンばかり続く。終盤の戦いもこうしたちゃちい場面ばかりだったので「おっ」と思っただけで、切り取ってみればべつに大したことはないし。
 莫大な予算を投じたハリウッド映画を見慣れている人達にこの映画を「大人向けのウルトラマンです」なんて言っても説得力はない。それでいてストーリーが暗くて楽しむところがないから子供にも見向きをされないとなれば、興行的に失敗しても当然だろうなと思った。
 大人向けというのであれば「シン・ゴジラ」くらい突き詰めて設定や脚本を仕上げるべき。できないなら少ない予算でこれまで通りのセンスオブワンダーにあふれたジュブナイルヒーローを模索すればいいじゃないか。そのどちらも出来ずに路線変更なんて逃げでしかないと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿