2017年12月24日日曜日

ゼノブレイド2

 骨折養生のため外出もせず引きこもっているわけだが、その間ずっと「ゼノブレイド2」を進めていた。ボリュームのある、ありすぎるゲームで、細かい部分まで遊んでいたらまだ終わっていなかったが、ストーリーが盛り上がって来るとその辺は手をつけるのももどかしくなり、枝道を後にして本日ついにクリア。最後は感動のエンディングだった。
 少年と少女が出会うという典型的な「Boy meets Girl」のストーリーに少年の成長物語が噛み合わさって、よくあるジュブナイル、冒険活劇ではあるが、背景にある SF 要素、散々語り尽くされているものの結局答えなどない人生哲学「人はどこから来て、どこへ行くのか」といった題材を取り込んでいるのが良かった。
 結果ここ一週間観てきた映画よりよっぽど感動できた。これでシステム部分が初心者にも分かりやすい体裁を整えていれば、もっと受け入れられるだろうに残念である。万民受けの「ドラゴンクエスト11」とは反対の方向へ進化を遂げた「 JRPG 」だった。

 プレイ時間は約100時間。クエスト部分は練り込み不足で、これは前作「ゼノブレイドクロス」でも同様だった説明不足から引き起こされるもの。お使いを出されるもののどこへ行けばいいのか、どこに行けばあるのか分からなくて途方に暮れてしまう。
 もっと情報をくれればいいのにと感じるがこれは確信犯。おそらく大きなフィールドを用意した理由のひとつである探索要素を演出すためであり、あえて情報不足にして世界を探検してもらおうというのだろう。
 戦闘についてブレイドコンボが出せるようになると大ダメージを与えられるようになり楽しくなってくるのだが、ブレイドコンボ、チェインコンボがどういった順番でつながるのかの説明がない。弱点属性についても同様。ポーチアイテムも使うとかなり有用なのだが、理解できないとただの大量なアイテムの羅列にしかすぎず、こうした部分の説明が不足しているのはもったいない。
 その他アップデートされたとはいえ見にくいマップやら、ブレイドの付け替え情報参照の見にくさ使いずらさ、強要されるスキルシステムなどシステム面に関しては不満満載。Amazonのレビューを少しだけ読んでみたがどれも「そうだね」と思うものばかり。最終話のレニと一人で戦わねばならない場面は詰んだか?と思った。
 しかし平凡なストーリーがだんだん熱くなっていく展開はやはり楽しく、これほどストーリーを語る RPG ってしばらくなかったんじゃないか?と思わせる。これで分かりやすいヘルプ機能と使いやすいユーザーインターフェイスがあればと思えば残念。ファンを拡大するような大きな売り上げにはつながらないだろう。

 アニメタッチのキャラクター達も遊んでいくうちに違和感はなくなり、子供子供していた主人公もだんだん頼もしくなってくる。それは夢と希望だけでなく、挫折と立ち直りを盛り込んだ展開に感情移入できるからで、陳腐な言葉だけで超常的活躍をするヒーローものとは一線を画しているからだろう。
 中盤までは長いムービーシーンに辟易としていたが、ストーリー展開とともに見せ場が増え、キャラクター達への感情移入が進んでくれば興味深くなってくるもの。よく動く主人公と敵たちとの殺陣も見事で、ひとつのアニメ番組を見たような充実を誇っている。
 願わくばこのクリスマスに Nintendo Switch を手に入れた子供たちが、問題のあるシステム部分を乗り越えクリアして、心に何か残ってくれると幸い。前作「ゼノブレイドクロス」同様、万民にお勧めは出来ないが良いゲームだったと言える。

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