2017年5月4日木曜日

親知らず

 春の大型連休の最中、親知らずを抜いてきました。二本も。

 四月に入って仕事が暇になったので、これを機会にと歯医者に通うこととした。右の下奥の歯がたまに痛いし、歯茎が腫れているため。ここは二年前くらいに被せていたものがとれ、再度被せてもらったのだがそれ以来ずっと違和感がある。被せ直した歯の隣もなんか染みる感じなんだよな。先生にはその旨伝えたのだが、虫歯じゃないねと言われたきり。
 さらに最近一番奥に変な歯があり、しかも歯茎がなくなってきている。これマジでやばい奴じゃないかと思いながらも、たまにしか痛くならないので放置してきた。
 仕事の先輩が昨年虫歯を放っておいたら、雑菌が顎の方に回ってしまい、一か月入院して手術することになったなんて話を聞いたことも、今回歯医者へ行こうと決めた理由。

 前回被せ直してもらった歯医者は廃業した。そんなハガキが去年届いた記憶がある。子供のころから利用していた歯医者だったが、今回の件で藪医者だとレッテルはりしており、元々そこへ行くつもりもなかった。そこで今回はネットで調べた、これまで行ったことのない歯医者を利用することにした。
 恒例のレントゲンを撮り、虫歯の具合を調べてもらったところ、どうやら一番奥にある変な歯、というのは親知らずだった。
 この歳になって親知らずかよと思いつつ、まったく知識がなかったのだが、レントゲンを見ると普通の歯は下から上へ、あるいは上から下へ垂直に生えているものだが、なんと真横に生えている。写真で見てびっくりするくらい真横。
 横から生えてくる歯が隣の歯を押し出すことによって痛みを生じさせているとのこと。虫歯じゃない痛みというのはこういうことか。
 つーか、二年前もレントゲン撮ったがまったくこんなこと説明されなかった。マジ藪医者!

 で、このままにしておいても良くならず、削って治療することもできるが結局抜いたほうがいいと言われ、昨日5月2日に抜歯の専門医に予約をとり、抜歯することとなった。
 たまたま仕事の同僚がつい最近親知らずを抜いたのだが、抜いた当日はいつもの元気がまったくない。痛い痛いと言っていたのを思い出す。当然冷やかされながら治療日を迎えた。
 しかも通院している歯医者では右下の親知らずを抜く際、ついでに上も抜いてきてください、なんてサラリと言ってくる。同じ側なので一緒に抜歯した方が後が楽ですからとか、上の歯はすぐに取れますからなんて簡単に言うが本当なのだろうか。

 しかし自分の所で無理な抜歯をせずに、きちんと専門の医者の紹介状を書いてくれるなど、今回の歯医者さんはなかなか好感が持てる。歯磨きの仕方を教えてくれたり、右上の歯茎に腫れがあるのは右手でブラッシングをしているのが原因とか、具体的でわかりやすい。
 いきなり虫歯治療をするのではなく、虫歯の原因まで取り除いてくれている。改めて自分の歯磨きの適当さが理解でき、電動歯ブラシと高めの歯磨き粉を買ってしまったよ。

 予約の時間通りに名前が呼ばれ、治療台につく。担当医がやって来て事前説明。麻酔や抜歯の説明があり、痺れが長い間、時には一生残ることもありますなんて脅かされる。
 あります、なんて言われてもどうしようもなく、麻酔を受ける。わりと大きめのチクッが来てから麻酔薬が注入され、だんだん口蓋部分が腫れてくる感触。と共に右の頬から下顎にかけて痺れるような感覚が広がっていく。
 待たされる間、嫌な想像ばかりが頭をよぎる。親知らずを抜くのは本当に痛いと聞くが、一体どれくらいの痛さなのか。歯医者でよくある「チュイーーン」というやつとは違うんだろうな。担当医は自分を含め四人くらいの患者をとっかえひっかえしながら見ているが、こんな流れ作業みたいなやり方でミスしないだろうな。それとも腕がいい証拠なのかな。

 30分ほど待ち、いよいよ抜歯となった。まずは右下からだ。
 口を大きく開けてくださいと言われその通りにする。あとはもう、グイグイと。時折チュイーンと歯を削っている。そして再びグイグイ・・・。
 マジ痛い。痛いんだが麻酔がよく効いているからなのか、先生が上手いからなのか何とか耐えられた。というか抜けた瞬間はわからなかった。先生の「はい、下の歯は抜けましたよー」なんていう優しい声かけがあって気付く次第。
 そして右上。少しインターバル開けるのかなと思いきや、すぐのスタート。気を取り直すとか覚悟を決め直すとかいう暇すらない。
 これも力任せに抜いてるなーという感じ。痛いんだけど耐えられるレベルというか、痛みをこらえつつ客観視できるレベルではあった。まあ痛みで目をパチクリさせながら堪えたんだけどね。言われていた通り、右上は下よりも早く抜歯できた。

 抜歯後の縫合が終わって、痛みはあったというか、力任せに抜かれたな、汚されたなぁ、なんて回想。さっそく抜かれた歯を見ると、右上の歯は中央が真っ黒になっていて、素人目に見てもひどい虫歯だと分かった。歯医者から右上は生えきってないので歯磨きをするときにうまく磨けていないと言われていたが、これほどひどいとは思わなかった。右下は削られたりしたためよくわからない。どちらの歯も下が二股に分かれた、いわゆる「歯」の形をしており、嗚呼これが抜けたんだなーと感慨深い。
 うながされてうがいをすると、赤黒い血がドバっと出た。麻酔が掛かっているので舌が上手く動かず、抜いたところを触ることは出来ず。ガーゼを噛んで直接止血をしつつしばらく待つ。

 抜かれた後の痛みもそれほどではなかった。ズキズキするでもなく、麻酔が切れることで痺れもとれ、出血も半日ほどでだいたい止まった。
 午前中に抜歯してもらい、さすがにお昼は食べる気がしなかったが、夜はしっかりシチューを食べたほど。会社の同僚の話と比べて、やはり名医だったのだなと思った。

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