2023年12月5日火曜日

ナポレオン

  リドリー・スコットの新作「ナポレオン」を観て来た。北野武による日本史「首」とリドリーの世界史「ナポレオン」ということで、今冬の新作映画としては期待していた一作。
 ナポレオンとジョゼフィーヌの恋愛を主なテーマに、有名な戦いでつなぎながらその一生を語るもの。2時間30分超えの超大作なれど、ナポレオンの一生を語るには尺が足りないか、駆け足で進んでいく。


 世紀の英雄「ナポレオン」。その業績は実はあまりよく知らない。フランス革命の時代に頭角を現し、皇帝に上りつめるもロシア遠征の失敗で失脚したというくらい。その程度の知識しかない自分にとってはわかりやすく生涯が理解できて良かった。偉人伝を読んだ気分。
 上映時間の関係上ストーリーの展開が早いのに加え、ナポレオンが終始しかめっ面なので、その本心を慮ったり感情移入したりできず。そのためジョゼフィーヌとの愛憎劇も心に響かなかった。

 大群による戦闘シーンは大迫力だが、「ザ・ロード・オブ・ザ・リング」以降、こうした映像にどうせ CG だしと冷めた目線でしか観れなくなって残念。素直にすごいと感動できない。兵士を鼓舞するシーンなんてまんま「王の帰還」。これが欧州の戦いにおけるスタンダードなのだろうけど。
 壮大な高原で天候が様変わりする中行われる大合戦。その美しい描写はリドリー映画の真骨頂に感じた。

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