2019年1月4日金曜日

紀伊半島 1/2

 紀伊半島一周ツーリング二日目。
 本日の目標はこの旅のメイン紀伊半島の一周。道中「岩代駅」が見所である。基本的に国道42号線を突き進んでいけばいい感じ。尾鷲から鳥羽、志摩方面へ行くときに注意が必要。


06:00 出発
 昨日早く寝たことから5時前に目が覚めた。予定では7時に宿を出るつもりだったが、少し早めることにした。今日は高速なしで10時間以上走り続けなければならない。
 スウェットとヤッケを着込んで防寒対策。高速に乗らないし海沿いだから昨日ほど寒くはないと思うが、暑ければ脱げばいい。手間を惜しむとロクなことにならない。
 ガソリンはすでに残り2メモリ。すぐに給油しようとホテルのそばを検索したが、調べた二軒とも休み。正月だから?

07:00 湯浅のセブンイレブン
 そろそろ目標の「岩代駅」が近いのでナビをセット。ついでにトイレと一服。寒い中コーヒーが美味しい。地図上では海沿いだが海は見えない。港の標識や川の河口は見掛けるので近いとは思うが。

 開けた市街地と山間部を繰り返す道中。山間部は道志みちを思い出させるひなびた田舎道だった。地元の人を見かけてふと人生に思いを馳せてしまう。こんな田舎にも人はいて生活を送っている。そんな人、一人一人にも違った人生があってドラマがあって。
 道中にさびれたアパート。このアパートに引っ越しして新しい人生を送ってみたらどうだろう。誰も知らない田舎の町で暮らしてみたい。
 でも新しい舞台も新しい人生も始まりはしない。いつもと変わらない日常が待っていると知ってしまっている。
 バイクの一人旅は少しセンチな気分にさせられる。

08:15 岩代駅
 今回のツーリングにおける目標のひとつ「岩代駅」到着。ひなびた田舎の無人駅。案内標識は唐突に現れナビをつけていたのにもかかわらず、一度通り過ぎてしまった。


 紀伊半島一周ツーリングを企画した時にはここへ寄ることはまったく考えていなかった。いよいよ天気も大丈夫なのでツーリングプランでも立てようと地図を眺めている時、ふと「紀伊」「紀勢本線」「紀勢本線、各駅停車、みなべの次の岩代駅の・・・」とフレーズが頭に浮かんだ。
 谷山浩子の「テングサの歌」である。
 調べたところ作曲当時は無人駅ではなかったらしい。「駅長さんの帽子がほら転がっているわ」なんてフレーズも出てくる。ただし人類滅亡後の岩代駅を歌っているので、無人駅というのが似合っている。
 残念ながらというか、予想通りというか、谷山浩子にまつわる何かはなかった。

10:10 串本 潮岬
 特に予定していなかったのだが潮岬へ立ち寄ることにした。串本は本州最南端の割に国道42号線を走っている分にはそれっぽい雰囲気がない。このまま通り過ぎるのも寂しいので、記念に残る場所を求めて。
 潮岬といえば台風上陸時必ずリポートされるロケーション。紀伊半島の先に屹立する灯台というのは見所になるはず。


 白浜を過ぎたあたりから風景はやっと海岸沿いらしくなってきた。しかし意外にも海岸は岩だらけ。思いがけず立ち寄った潮岬では灯台、神社を見て回り予定外の時間をとってしまった。

12:30 道の駅パーク七里御浜
 岩代を過ぎたあたりで「新宮 200キロ」という看板が現れ重たい気分になっていた。しかしついに新宮市を通り過ぎた。残る道中はあと半分。串本を過ぎたあたりから熊野方面の観光客か車が増えてくる。
 おみやげを買っていないことに気づき、お昼休憩を兼ねて立ち寄る。本日の宿泊先である津に着いてからでも良いのだが、紀州みやげがなくなりそうだし。
 熊野大社関連が多いが熊野は素通りだったのでそれ以外で選ぶ。結果紀州みかんにちなんだお菓子を買うことにした。

14:00 尾鷲
 バイパスの熊野尾鷲道路を使わず峠道をひた走って尾鷲着。予定では12:30に到着となっていたが大分押してしまった。大きな渋滞にはまったわけでもないが、計画がいい加減だったか。
 ここから鳥羽、志摩方面へ向かうと津に着くころには18時を回ってしまいそう。日が落ちて暗くなってから知らない町を動き回るのは嫌だ。少し残念な気もするが鳥羽方面は潔く諦めてバイパスを使って津を目指すことにする。伊勢方面はまたの機会にしよう。

14:30 奥伊勢PA
 休憩。ショートカットしたことで時間にはかなり余裕が出来た。当面の懸念は渋滞だが問題なさそう。情報では津から先、亀山ICあたりの渋滞しか案内されていない。ナビで道を確認すると津まで1時間程度の道のり。16時にはホテルに着けそう。

15:30 松阪IC
 予定外のプチ渋滞。特に渋滞情報は出てなかったはず。トンネルで事故があった模様。
 ガソリン残量は残り1メモリ。津までの距離を考えれば走り切れるが、やはり高速という閉鎖空間では怖さもある。もし突発的な渋滞にはまったらと考えると不安。時間には余裕が出来たので大事をとって松阪で降り、給油しておく。

16:00 津
 予約の「三交イン津駅前」に到着。しかしトラブル発生。バイクの駐車場がない。ホテルで用意している駐車場は車のみで、そこへ二輪車を止めることは出来ないとのこと。提携先の駐車場もさることながら、自前の駐車場に止めるといった融通も利かない。
 「駐車場あり」がホテル選択の条件だったのでいまさらバイクはだめと言われても困る。コンシェルジュは代替案を出せそうにないので別の宿を探す。問題はキャンセル代がかかるかどうかだけで、こっちは気楽な一人旅なのだからホテルに対するこだわりがあるわけじゃない。
 ネットで探すと当日予約ながらバイク駐車OKな宿がすぐに見つかった。津駅からも近い。ホテル側も不備を自覚しているらしくキャンセル代は請求してこなかった。駐車場に関してバイク不可という記載はなかったので当然。せっかくの旅で嫌な気分になりたくないので文句も言わずさっさと宿を代えた。
 新たにみつかったのは「ザ・グランコート津西」。結果宿代が安くなった上、当日の空き部屋にぶっこんだ為か最上階のセミダブルを借りれた。ラッキー。

 明日は旅程が楽なので外で飲もうと出掛ける。居酒屋でのんびりお酒が飲みたいと思ったが、なんとすべて満席。確かに県庁所在地のわりに駅前の居酒屋が少ない。これは誤算だった。

 本日の走破距離は384.3キロ。休憩観光込みで10時間。ほぼ下道だった割りには結構いいペースで走れた。
 紀伊半島一周。国道42号線は海岸線沿いの街道というイメージだったが、むしろ山間の峠道が多かった。また海岸も岩海岸が多かったのは意外だった。太平洋の急流で海岸は洗い流されてしまうのだろう。それを裏付けるように東海岸は穏やかな浜辺が広がっていた。伊勢志摩方面に足を伸ばせればまた違ったイメージになったかもしれない。

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