2018年9月16日日曜日

ファンタシースター 千年紀の終りに

 続けて遊んできた「ファンタシースターコレクション」。いよいよ本命であり最後の作品となるシリーズ第四弾「ファンタシースター 千年紀の終りに」をプレイ。
 このソフトは現役メガドライバー時代に存在を知らなかった。当時はPC9801用の思考系ゲームにハマっていたし、アクションゲームは画面も音もきれいなスーファミにシフトしていた。
 そのためファンタシースターシリーズは「3」で終わっているものと思い込んでいた。タイトルに「4」と入っていないことや「千年紀の終りに」というサブタイトルも「2」の「還らざる時の終わりに」と意図的によせていることから、なおさら気づかなかったのだろう。
 クリア後の感想はひとことで言うとシリーズ最高傑作。当時の他RPGと比べても上位に並ぶ作品と言える。システム、ストーリーともに完成度が高い。

 宇宙をまたに駆けるファンタシースターの世界観を存分に味わえ、「1」から続くアルゴル星系の歴史を綺麗にまとめあげている。特にシリーズ完結作として過去作との関連性を持たせたシナリオとなっており、シリーズを続けて遊んだプレイヤーにとっては感慨深い。
 途中でサブ主人公の「ライラ」姉貴が死亡!最終決戦前にして道を見失う主人公など、ストーリーがイベントを交えながら丁寧に進んでいくのでストーリーに入り込みやすかった。これは漫画のような演出により、キャラクターたちにより深く馴染めたからだろう。仲間もただついてくるだけでなく、合いの手を入れたりしてキャラの個性を出しているので印象深い。
 漫画のような演出とは、イベントのたびに描き割りのような演出が施されるもの。当時のドラクエやファイナルファンタジーのような人形劇とは一線を画す。イベントごと専用のグラフィックはキャラクター絵と吹き出しだけの展開とは違い臨場感がある。
 グラフィックは「3」で採用された水彩画風のタッチから「1」「2」作に準ずるアニメタッチに戻したことでファンタシースターらしさが戻った。
 他にもハンターギルドからの個別クエストを受注できたりして、この辺りは今どきのゲームと同等のシステムを先取りしているとびっくりしてしまった。
 第一作では3Dダンジョン。第二作では広くて分かりにくい二重スクロールダンジョン。第三作ではオーソドックながら面白みのない幾何学的なダンジョンと、良くも悪くも特徴的だったシリーズ。
 今作ではグラフィックに凝りながらも広すぎず、難しすぎないというほどよい感じのダンジョンが多くて、うんざりすることもなかった

 一つ一つの町でクエストが発生し、そこを拠点にクエストをクリア。次の町へ行くというドラクエ風展開と異なり、このゲームではあくまで目的地への中継でしかない。世界地図というアイテムもないことから、それぞれの町の名前と場所や何があったかを記憶しにくい。メモを取りながらプレイしていたので詰まることはなかったが、この辺りは昔のゲームぽいとは思う。
 またアイテムについては細かな説明、誰に装備できるかなどの情報があるものの、特技やテクニックに関しては使ってみるまでわからず、かつ「即死」系テクニックなどは効果が発揮されないとわからないので、結局ネットの情報サイトを見る必要があった。
 他にも操作性にて難点もあるが、総じてこの作品の発売時期を考えればこんなものかと納得できる。

 過去のファンタシースターにおける問題点を洗い出し、感情移入しやすいイベント演出でストーリーに入り込ませる、ロールプレイングゲームとしては正攻法にして素晴らしい作品だった。
 メガドライブというマイナーハード。しかも末期での発売だったのは返す返すも残念。仮にドラクエやスクエアRPGあたりと同列に並んでいれば、今でも名作と言われる作品だったろう。

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