2025年8月30日土曜日

ジュラシックワールド/復活の大地

  ジュラシックパークシリーズの最新作「ジュラシックワールド/復活の大地」を観て来た。ジュラシックパークシリーズとしては7作目、ワールドシリーズとしては4作目になるが、前作までとは一区切りとなり新しいシリーズとして登場。
 もはや恐竜登場になんの感動もないシリーズ。アクションシーンは満載なれどゲーム感覚で演出される淡々とした進行で緊迫感が感じられなかった。とは言え退屈せず観れたのでつまらない訳でもなく、7作目ともなる長寿シリーズの一作だからこんなもんか。

 主演女優が誰か分からず。若くてかわいいお姉ちゃんじゃないし、百戦錬磨の女主人公という立ち位置だし、何故か強調されるおっぱいで誰かなぁと思って観ていたが、スカーレット・ヨハンソンだったのね。
 恐竜は赤道付近の島々で細々と暮らすのみ。一般人の立ち入り禁止ということだが特に警備されているわけでもない。理由こそ新薬開発のためということだが、今回も恐竜のDNA採取が目的とよくある展開。

 モササウルスの件はシリーズでこれまでなかった海の恐怖を描こうとしたのだろうが、恐竜じゃないし姿は見えないしで何か違う。ジョーズを思い出してしまうのは自分だけではないだろう。
 ティラノサウルスとの逃走劇は第一作小説からの引用とのことで、過去作で撮れなかった場面をあえて選択した感がある。水中で襲われるシーンや泳ぐティラノは良かったが、これをやるのであればモササウルスは猶更いらなかった。
 水を飲んでる後ろでこっそりボートを拝借するシーンや、飛び越えられそうな岩の隙間に顔を突っ込むだけで諦めるなど突っ込みどころ満載。狂暴さの中に間抜けが垣間見え、漫画的で楽しい。
 最後のミュータントドンは過去作オマージュ。せっかくの緊迫した場面なれど尺が足りなくて残念。ラスボスD-レックスは先の読める自己犠牲的展開。子供を失った船長と仲間を失っていく女主人公の思い、二人の友情への掘り下げが足りなかった。結果ハイハイ分かりました的なよくある展開に感じてしまう。

 全体の印象として、ストーリーの必然から生まれたシーンがなく、見せ場が先にあってストーリーを作ったように感じてしまった。
 前述の無意味に強調されるおっぱい。三種類の恐竜からDNAを採ってこいというミッション感。まるで流行りのゲームのよう。ファミリー映画なので、迂闊なことをやっても生き残れるヨット家族。ジェンダーや人種の多様性にも配慮していますよと言わんばかりのキャスト。全方位への目配せは良くあるハリウッドのファミリー向け映画。まあ仕方ないか。
 スピンオフのような形でいいので、もう少し作家性を活かした作品を作ってみて欲しい。

 気になったので、帰ってきて自分の前作感想を調べてみたら、かなり酷評してる。あの続編であれば、オーソドックな作りで観れる作品になっているだけ良かったのかも。

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