2025年8月19日火曜日

2025夏 四国

  今年の夏ツーリングは四国へ。昨年「父親の四十九日」と「南海トラフ警報」によってスケジュールを立てたものの行けなかったリベンジを果たす。あいにく天候は不順。予定していた8/10の出発が伸びに伸びて8/12まで延期となった。
 思っていたように宿がとれず、キャンプ泊併用のつもりだったが、キャンセルが出たのか前日になって宿が見つかりバタバタと予約がとれた。正直このうだるような暑さの中、テントで宿泊したくはなかったのでラッキー。
 四国へは5年ほど前に訪問。正月ツーリングということもあり山間部を避けて海沿いを走った。そこで今回は内陸部を攻めるつもり。特に行きたいスポットは「UFOライン」「四国カルスト」「足摺岬」。



一日目

 3:00過ぎの出発。平日のため二輪半額が使えず、せめて深夜割引を使ってやろうという姑息な判断。雨はまだ止まず、特に御殿場あたりで本降り。足柄SAへ逃れる。少し待てば通り過ぎるという情報もあったが、自分で調べた感じ一時間以上足止めを食らいそう。我慢して雨中を進むことにした。裾野のあたりはいつも通り霧。富士のあたりで止み始め、静岡につくころには完全に止んだ。
 7:00 岡崎SAで給油。眠気覚ましに仮眠をとる。新名神土山SAあたりで事故渋滞4km15分の表示が出ている。伊勢湾岸は名古屋中央から伊勢長島まで交通集中による渋滞。四日市で再び雨が降り始めたがそれほどひどくはなさそう。土山に着くころには渋滞は解消されていた。
 10:00 宝塚北SAにて給油。ここまでSA、PAはどこも混雑。帰省ラッシュは8/11という予報だったが、雨のため予定をずらした人が多かったか。このまま順調であればお昼過ぎには宿泊地坂出へ着いてしまうので、瀬戸大橋にある与島SAと四国上陸後に五色台スカイラインへ行くことにする。
 13:30 与島SA。めちゃくちゃ遠かった。大阪から岡山は思っていた以上に距離があるのね。考えてみれば兵庫を越えていくのだから、東京~静岡くらいあるのか(後調べたら190kmほどあり、東京~静岡間160kmより遠い!)。
 瀬戸大橋はデカイ。揺れる気配もなく頑丈。風速4mと出ていたがほぼ無風状態だった。半分ほど走って与島SAへ。ループ橋を降りていく。瀬戸内は気温が高い。せっかくなのでご飯でもと思ったが混雑していて入れない。「メロンパンにはメロンが入っていない」という歌が流れている。

 四国上陸。坂出着が14:00。ここまで659.1kmであった。息つく間もなく五色台スカイラインへ。四国ツーリングで検索すると必ず出てくるツーリングスポット。いま渡ってきた瀬戸大橋を左手に見ながら走っていく。島々が並ぶ瀬戸内海の景色。
 上り口にはバイクが数台停まっている。展望台にもマフラーを改造したようなシビックなどがいて、ここいらでは有名な走りポイントなのだろう。しかし眺望はなく、展望台からの眺めも木々が邪魔をしていまいち。せめて高台でもあればと思うが。
 帰りがけに讃岐うどんを食す。コシが強い麺と少し薄味のつゆ。竹輪とサツマイモの天ぷらを添える。そのままホテルへ。本日の走行距離は705.3km。


二日目

 出発して道中にある飯野山見物。小さいながら均整のとれた山でピラミッドのよう。国道438号を進んで讃岐山脈を越え吉野川へ。真っ赤な美馬橋が印象的で「これが吉野川か!」と感動。しばらく川沿いを走って祖谷渓谷、大歩危へ。小便小僧や妖怪屋敷など面白い観光スポット沢山。お昼ごろ早明浦ダム到着。工事中のため残念ながら展望台へは行けず。
 国道32号線を走り高知へ。四国自動車博物館到着するも何と休業。市街地はくそ暑い中のでガッカリ感が増す。次いで海洋堂スペースファクトリーに立ち寄る。思ったより見所がなくすぐに退散。
 さらに高知市内にて沢田マンションを見学。はりまや橋を遠めに見ながら市内を後にした。午前中の山中ツーリングに比べて高知市街地は暑過ぎた。のんびり見学しようという気になれない。

 このままホテルへと帰路に就くが、ナビが案内する最短ルート国道56号をはずれ海へ出ることにした。海への道はかなり狭く一車線の一方通行かと思うほど。集落を突っ切るように走る昔からある生活道路をそのまま舗装したような道。
 ナビの案内は分岐のたびにしきりと国道へ戻るよう催促してくる。海を目指すと決めているし、ナビの画面を見る限り一本道だから迷いようもない。そのまま突き進むと集落の一本道から急に山道へと迷い込んでしまう。竹藪の中つづら折れが重なるルートに大丈夫かと心配しつつ、さっきまでナビが示していたのは一本道ですぐ海へ出るはずだったがと不安になる。
 うっそうと茂る竹藪や切り通しにはばまれ、日中だというのに薄暗い。生き物の気配がない静けさが不気味さを増す。路面は一面苔生して小石や小枝が散らばっているので滑りそう。車一台通れるか?といった狭い道にはガードレールもなく一歩間違えれば谷底へ転落してしまいそうだ。
 だんだん心細くなってきて、無きモノの視線や気配すら感じ始めて怖い。黄泉のモノが後ろから手を伸ばしてきそうで振り返ることもできない。歩を止めて地図を確認することすらできず、Uターンなんて以ての外。ただただ通り過ぎるのを祈り続けるだけだった。
 峠の切り通しを見つけた時の安堵と下り坂となった時の安心感。終わりが近づいたことがわかる喜び。そして山道を抜けてすぐに広がる海の景色、開放感。
 まるでキツネにつままれたような気分。恐ろしい体験。あとで調べると大した距離でもなく、どうしてそこまで怖がっていたのか不思議。県道37号線。二度と行きたくない。

 夕刻、須崎のホテルに到着。本日の走行距離は280.4km。


三日目

 本日は旅の目的のひとつ「足摺岬」へ。前回訪問できなかった四国南西部海沿いをひとっ走り。

 8:00前にホテルを出発。四万十町まで南下。山中へ入り込み沈下橋を見学。思っていたより橋は広くてがっしりしていた。河童でも出そうな雰囲気。すぐそばに海洋堂ホビー館があるが生憎開業前。フィギュアにも興味はないので到着写真だけ撮って出立。
 次は足摺岬まで走り続けるだけだが、国道まで引き返すか山中の県道55号を走っていくかの二択。昨日のような恐ろしい道ではないようだが、地図で見る限り線形が悪く距離が長い。まあ何とかなるだろの楽観論で県道に決定。小石と苔、枝葉で最悪な路面を延々と走ることに。またクネクネ道はナビ上の走行距離が全然進まずいつになったら終わるの状態。最期は諦めの境地で無心に進んでいけばいつかは海に出る・・・と達観しながらの道中となった。
 峠のトンネルを越えて道が広くなり、線形も良くなる。あとは一気に駆け抜けて予定より一時間ほど早く海に出た。10:00過ぎに黒崎町にある道の駅「ビオスおおがた」到着。かつおだしのラーメンが一押しだったが開店しておらず諦める。これを食べることだけ考えて山中頑張って来たんだけどね。
 四万十市中村にて昔来た時の記憶が少し蘇る。しばらく四万十川河口を走り雄大な流れを堪能。12:00前に足摺岬到着。北海道地球岬のような絶景と感動に至らず、せっかくここまで来た割に残念だった。


 足摺岬を後にし四国南西部をぐるりと走る。ジョン万次郎推しのようだが、何を成した人なのかよくわからず。またお遍路さんを意識した看板なども目立った。
 12:30 海洋館。食事をとろうと思ったが大混雑であきらめる。
 13:45 大堂山。リゾートのような景色。足摺岬よりいい眺めだった。
 15:00 紫電改展示館。中翼式から低翼式へ。自動空戦フラップ搭載。
と海沿いの見所スポットを巡って宇和島のホテルへ。これということのない一日だったが何か疲れた。
 本日の走行距離301.8km。


四日目

 本日はこの度の目的である「四国カルスト」と「UFOライン」へ。前日調べた所、マップルにて推奨の四国カルストへの林道がナビ、Google Mapとも選択できず。一昨日、昨日とクネクネ道に辟易とさせられているので一抹の不安を抱えながらの出発。
 林道そばの道の駅「日吉夢産地」にて小休止。バイカー多め。ほどなくして林道に到着。あまりひどい道だったら別のルートを探そうと思っていたが、予想以上に快適路となっていて逆に驚く。きちんと舗装された二車線道路となっていて、林道ということから眺望こそないものの、落ち葉や苔生して走りにくいなんてこともない。その割に他車をほとんど見ないのはナビが案内しないからなのだろう。ちなみに現地までくればナビもGoogle Mapも道を示すようになった。うーむ。
 林道の終点には坂本龍馬脱藩の道とされる韮ケ峠が。ここを過ぎてしばらく進めば牧場と売店が点在。四国カルスト大野ヶ原到着。それまで木々に囲まれた林道を延々と20kmほど走り続けてきたが、一気に視界が広がる高原の景色に感動。


 そのまま四国カルストを横断する県道383号線をのんびり進む。姫鶴平(観光客でいっぱい)、五段高原(すれ違い困難)、天狗高原(アイス=1500円のぼったくり価格)。ビーナスラインを思い出させるような風景。少し観光客が多いかなとは思ったが、果てしなく広がる高原の景色は心を開放させてくれた。

 四国カルストを過ぎて、ごうかく駅、石鎚スカイラインを越えて「UFOライン」を目指す。道中の赤蔵ヶ池と怪鳥ぬえ伝説とは何ぞ。
 残り燃料が心許なくなってきたが、調べた所付近にガソリンスタンドがない。計算上は大丈夫なれど不安。せっかくの景色を見ても頭の片隅にガス欠がよぎって楽しめない。
 14:00 UFOライン着。これまでの晴天だったのに標高があがるにつれ霧や雨雲が張り出してきて不安だったが、何とか持ちこたえてくれた。UFOライン、四国カルストとも天気が変わりやすいと言われていたので幸運だった。
 尾根沿いを走る道が遠くまで連なって見える雄大な道ということで「雄峰ライン」と命名。その後記念写真に未確認飛行物体が写っているなどの騒動があって、いつしか「UFOライン」となったそうな。
 西伊豆スカイラインを思い出させるような景色でもあるが、山々を延々走り続けてやっとここまで来たという達成感は代えがたい。ついに念願叶った感じ。


 ついに訪問できた「UFOライン」を後にし、燃料切れにビクつきながら帰路に就く。予定の宿泊地である新居浜までは1時間弱の距離なれど、延々と山道を降りていくという道中にはいささか辟易とさせられる。降りても降りても道が開けない。山深き四国山脈。前回訪問時は海沿いを走ったのでまったく思わなかったが、四国というのは山で出来た島なのだと実感させられた。
 16:30 新居浜宿舎着。これまで走ってきた方角を見れば、市街地のすぐそばに山。その後ろに延々と山が連なっていて、四国の本質が理解できた。九州発祥のファミレス「ジョイフル」へ立ち寄り本日終了。
 本日の走行距離は234.8km。やり切った感あり。


五日目

 最終日。帰るだけだが本日は帰省ラッシュ想定日。35度以上の陽射しの中、高速道路で渋滞にはまるのは勘弁と、夜中まで待って渋滞の様子を見てから出発することに。それまでの時間潰しとして、淡路島見物と休館だった四国自動車博物館見学を秤にかけ後者を選択。龍河洞スカイライン~国道195号横断を加えて四国山脈を堪能し尽くす。
 四国高速道を走って新居浜から再びの高知へ。四国自動車博物館に到着。ずらりと並んだ名車の数々だったが、かなり無理して来た割にはこんなもんかという感じ。ラインナップもありがちだったかな。


 博物館を後にして龍河洞スカイライン。山頂にお城のような洋館があったが道中通行止めでたどり着けず。ざらついた路面は一部苔が生えていて少し残念だった。龍河洞に到着し国道195号へ。阿波の山中を走り抜ける。
 アンパンマンミュージアム、別府温泉、剣山スーパー林道。急に舗装が悪くなる。四足峠とトンネルを越えて雨が降り始める。天気予報でも言ってなかったし、そんな気配などなかったのに。アプリで調べるとゲリラ豪雨のような感じで山の中だからこんなこともあろう。
 合羽を着るほどではないし、雨雲レーダーを見た感じでは雨雲からはそれたようなのでそのまま進行。思いがけず「未来コンビニ」発見。ああ、ここにあったんだ、という感じ。せっかくなので店内に立ち寄るが特にこれと言った物はなかった。
 周囲の山々から雲が立ち込めていく風景を見つつ、雨雲が切れるまで時間調整するか悩む。結局、持ち前の気楽さで進むことを選んだが運の尽き。少し進んだ小見野々ダムから川口ダムあたりが雷雨交じりの土砂降り。トンネルを抜けたらいきなりの大雨で合羽を着る暇もなかった。一気に下着や靴の中までびしょ濡れになりつつ、ナビだけ防水養生してそのまま走り抜けた。
 いろいろあった今回の旅だったが最後の最後にやられたなぁ。
 徳島について徳島ラーメンを食べる。甘口に煮込んだ豚バラ肉と生卵が特徴とのこと。これで思い残すことなし。四国を後にした。
 淡路島で少し渋滞にはまるも明石に到着して時間調整。ここまでの走行距離は374.4km。

 明石の快活倶楽部にて22:00くらいまで様子を見る。渋滞がほぼなくなったので出発。せっかくなので近くの山岡家へ立ち寄るも列が出来るほどの大行列。マジカヨ。
 ラーメンを食べたい欲求が抑えきれず、そばのずんどう屋というお店へ。ここも大混雑。しかもオーダーが通っていないという体たらく。威勢はいいが質が悪い。
 結局明石を出立したのは0:00近くなってしまった。

 出発して間もなく無くなったはずの渋滞が再発生。深夜料金狙いのドライバーが湧いて出て来たのか。定番草津JCTにてボトルネック渋滞8km。諦めつつ進めばGoogle Mapが京滋バイパスを推奨。こちらの渋滞は5km。あまり変わらないがと思いつつGoogleを信じてこちらへ進めば何と渋滞解消。ラッキー。
 1:30 鈴鹿PA。明石の快活倶楽部で休んだものの、朝から走り続けて疲労困憊。ここで小休止。ベンチに寝転がって仮眠した。
 次は新東名の設楽長篠付近で定番の事故渋滞。2kmで30分ほど。
 東名との分岐手前にある刈谷PAにて給油して時間調整すれば、交通量が減ってきているからか、渋滞通過時間が徐々に短くなってきた。思い切って新東名方面へ進んだ所、長篠付近に渋滞はなくこちらも解消したか。一方、東名菊川にて火災事故発生通行止め発生と新東名を選択して良かった。ようやく運が巡って来たか。
 5:00 静岡SA。ついに空も明るくなってきて眠気、疲れ共にピーク。最終日の夜に帰路につくのは合理的なれど体力的には結構きつい。
 6:40 帰宅。懸案の山北事故渋滞もなく逃げ延びた。疲れた!
 本日走行距離873.1km。明石からの距離は498.7km。
 五日間合計が2,395.4km。よく走った。四国は非常に遠かった!!

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