2025年12月21日日曜日

アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ

  ジェームス・キャメロン監督によるSFシリーズ”アバター”の三作目「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」が公開されたので、さっそく観て来た。前作から続くストーリーとなっていて、海の民のもとへ逃げ込んだジェイク・サリー一家に襲い掛かるさらなる試練といった内容。
 圧倒的映像とテンポの良い展開で、長尺197分という上映時間を忘れさせるものの、既視感のあるストーリー展開と落ちは残念。惑星パンドラ年代記としての物語展開はほぼ無く「アバター2下巻」といった感じ。

 今作はスパイダーとキリの物語。マスク無しでパンドラの大気を呼吸できるようになったスパイダーと、エイワから拒絶されていたキリが皆の支えで祈りを通じさせるようになるというもの。兄を失い自らの存在意義に疑問を持っていたロアクの成長と併せて、次作は子供世代が主軸となる展開への橋渡しのようでもあった。
 実際アバターは三部作の予定だったが、前作を製作した際に出来たCGのアセットをそのままにするのは勿体ないということで今作が生まれたなんて話や、第一章となるジェイクの物語はここで終わり、次からが新章であるなんて話も聞く。

 「ファイヤー・アンド・アッシュ」という副題を聞く限り、火山が舞台となるかと思いきやそんなことはなく、敵の頭目ヴァランは火の魔法を使うでわけでもない。結局海の民と鯨の話しが焼き直されるだけという物語になってしまった。
 続編製作の可否は興行成績に左右されるのは仕方ない。制作陣は続編製作できなければ小説として発表するなんてコメントもあり、すでに白旗を振らねばならぬ状況なのか。それもこれも物語として綺麗にまとまっていた第一作をシリーズ化した割に、ストーリーが進まないことへ不満が成績に現れた結果。
 前作の気持ちが晴れない結末と比べれば、ナビィの結集、祈りに応えてエイワなど鑑賞後のすっきり感はあるものの、冒頭で述べた通り「2の下巻」という感じ。お話しとして終息したという点で前作より満足感は高いが・・・という感じ。

 キリの祈りでこちらに振り向くエイワの横顔は人のように感じた。作られた生態系とでもいうのか。まさにナウシカの焼き直し(=パクリ)になってしまうが。それともキリ=シガニーのクローンということで、己を映す鏡ということか?
 自決のように火口へ落ちていったマイルズの最後を描くことはなかったが、これは誰か(ヴァラン?)が助けたという伏線だろう。新しい目を開こうとしているキャラクターをみすみす手放すはずもなし。
 捕まったジェイクを助けに来た海洋博士に対し、救出計画がノープランであることを知ると「ネイティリのようだ」と嘆息するあたりが最高に面白かった。すぐそばでネイティリがノープランの救出作戦を実行しているのがウケる。

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