2012年12月26日水曜日

ゾンビUクリア

 ゾンビUをクリア(バッドエンドだったけど・・・)しました。感想としては、名作と言っていいんじゃないかなという出来映えでした。

 ストーリーについては数あるゾンビ映画やゲームと同じような感じで、突如起こったゾンビ感染。街に取り残された主人公が脱出を試みるというだけの、いたってシンプルなものだが、良い。
 何故良いかと言うと、面白いゾンビ映画のエッセンスを取り入れているから。

以下、
 ・主人公には隠れ家がある
 ・ゾンビが強い
 ・立てこもっていれば安定・・・なのだが、人間関係の軋轢で立てこもれなくなる
という要素を取り入れているから。

 つまりゾンビが強いんだけど、安定して生活できる場所が与えられ、しかし「人間」の手によってそれが崩壊してしまうってのがミソ。このゲームはそれが再現できているので、ゾンビものとして良い。
 バイオハザードではこれが出来なかったので、今やアクションゲームと化した。

 グラフィックは及第点。使い回し多し。暗闇ばかりできれいさを感じ取れない。水の表現が大したことない。結局PS3やXBOX360レベルの映像。逆に言えば暗闇ばかりなのでグラフィックは普通でも良しとしたか。

 操作性はイマイチ!
 WiiUゲームパッドを活かしたゲームを作るというのが開発コンセプトにあったのだろうが、面倒くさいことこの上なし。特にアイテムのやりとりが面倒。
 タッチパッドを利用してドラックドロップするのだが、感圧式というハードの特性からか鈍い。緊迫する戦闘中にアイテムをやり繰りするのがじれったくて怖さを増す、という演出なのだろうが、わかっていても面倒にしか思えないんだけど。
 またパッドによるセンサーを利用して暗証番号を探したりする場面もあるけれど、テレビと手元と視点を移動させなければならないので、これも面倒に感じた。
 ただしマップ画面およびセンサーがテレビ画面と独立して表示され続ける点は良かった。中盤以降、手元でセンサーが常にスキャンをし続け、ゾンビ達の位置を表示するシステムは、たまにゾンビ以外(カラスやネズミなど)をスキャンしてしまう所含めてよい演出。これが別メニュー別画面だと味気ないだろうし、緊張感も減ってしまう。

 ゲームのシステムとしてはローグ系と似ており、主人公はあっさり死んでしまうが、アイテムやプレイヤーのスキルは引き継いでいくため、徐々にプレイが洗練されていくというゲーム本来の楽しさが味わえるのが良い。
 またホラーゲームであったバイオハザードがアクションゲームへと歩んでしまった道を、2を見る限りおそらくデッドスペースも歩んでしまいそうな感がある中、ホラーという部分を強調したシステムにしたのは良かった。
 確かにFPSと同様の表現をしているし、銃を持てるのでアクション、シューターの方面へシステムを振りたくなる-爽快感もあるし-ところをあえて我慢し、地味な主人公の死にやすいシステムにした点は評価できる。
 単独で登場するゾンビに慣れるようになったら、複数のゾンビが登場するようになり、複数のさばき方を覚えたら特殊なゾンビを出してきたり、プレイヤーが上達するとさらに新たな難題を与えてくるというのはいいね。開発側がゲームのシステムを理解している証拠だ。

 オンラインプレイも適度なゆるさがこのゲームに良くあっている。非力な主人公が孤独に街を探索するのがほどよい恐怖感を醸し出しており、協力プレイやフリーメッセージが送れるといったシステムがないのも理解できる。

 またゲーム中盤にある保育園が、まんまホラー映画のそれで恐ろしかった。RECやダイヤリーオブザデッドというPOV手法を採ることで、臨場感を増す効果を狙ったホラー映画が一時期作られていたが、インタラクティブな点でこのソフトはそれらを越えた。
 逆にインタラクティブだからこそ、プレイヤーが腕を上達させることで簡単に乗り越えてしまえるという点はあるのだが。

 総じてこのゲームは新規に作られたIPとしてはなかなかの出来映えであり、今後も語られるに値する名作だったと言える。ソフトの立ち位置がコンセプトとゲーム性のバランスをうまく取っている。
 発売したばかりのWiiUでリリースしたためセールスは振るわないだろうが、是非この作品を丁寧に掘り下げていただきたいものである。
 まったく同じことはできないけれど、XBOX360やPS3にも移植して、ユーザーを増やして欲しいなぁとも感じる。

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