2011年2月24日木曜日

ヒアアフター

 老齢なったクリント・イーストウッドが、死後の世界を題材とした映画を作った。となれば観に行かねばならんでしょう、というわけでさっそく鑑賞。
 そんな鑑賞前の乗りとは裏腹に、イーストウッドは死後の世界については言及を避け、あくまでも今を生きている人々について淡々と描いている。やがて来るであろう死を見つめるのではなく、これまで生きていた生を改めて顧みる。

 プロローグの大津波シーンや、前述の死後の世界、といった前情報に比べ、映画自体はドーンと盛り上がるような場面はなく、主要三人物を繊細に描いていく。死者と語ることの出来る能力は、あくまで副次的な要素、三者をつなぐ糸でしか無い。
 時折「人は死についてもっと向き合うべき」とか「死後の世界はよく見えない」という言葉で語られるのみだが、逆にオカルティックな要素が排されて好感を持てた。

 ラストの主人公とヒロインの再会シーンなど、もっと描かれるべき要素もありつつ、そこでフェードアウトしていくのが余韻をもたせて、観客にいろいろ考えさせる部分であり、しみじみといい映画だったなぁと久しぶりに思う作品だった。

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