ティム・バートンのコメディホラー「ビートルジュース」の続編、「ビートルジュース ビートルジュース」を観に行ってきた。
ここ最近ある何年振りかのまさかの続編(ゴーストバスターズ、トップガンなど)と似たような展開で、前作のオリジナルメンバーとその子供の愛憎劇という物語。自然とファミリー向けのお話しとなるので営業しやすいためか。続編としては作りやすいのだろうが、ありがちな展開(最初仲たがいしていた親子が仲直りする)に終始するので面白くない。
序盤から中盤にかけて母娘のスレ違いという展開。ハチャメチャな前作と比べて人間ドラマ中心なのでイマイチと思いつつ見ていたが、ビートルジュースが復活し「あの世」へと舞台が移るあたりから不条理な展開が増えてきて面白くなる。
最期は新キャラとして登場した敵役「ドロレス」「ジェレミー」をあっさり退場させ、あくまでビートルジュース中心に話が進むのが潔い(つーか、二人のエピソードいらなかったんじゃないの?レベル)。
終わってみれば面白かったなと満足。本国ではトランスフォーマーを抑え、三週連続全米一位と異例の大ヒットとのこと。
ただし前作との比較は難しく、あくまで当時を懐かしんで楽しむ続編。前作のハチャメチャ度、家の周りにサンドワーム、歩き出す前衛美術品などなど、何でこんなことを思いつくのだろう?という製作者のぶっとび具合は奇跡。
今作に理解不能な展開はなく、バナナボートの件やあの世のビジュアルは前作を踏襲しているだけだし、ソウルトレインや出産シーンはストレートで笑えない。
モニカ・ベルッチ、ウィリアム・デフォー、ダニー・デビートといった往年のベテランキャスト出演は、新進気鋭の若手監督の才能を買ってというわけでもなく意味不明。しかも必然性のある登場理由がない。
一方前作で一番輝いていたジーナ・デイビスが登場しないのは仕方ないとはいえ残念。歳をとったウィノナ・ライダーの見た目は割と頑張っていたものの、足腰がダメなのか走り回るシーンは痛々しかった。
代わりに娘役を演じたジェナ・オルテガがかわいかったのと、引き続き母役を演じたキャサリン・オハラの顔芸は素晴らしく衰え知らず。