2017年12月31日日曜日

バイオハザード リベレーションズ2

 「バイオハザード リベレーションズ2」をクリアした。

 システムとしては、リベレーションズシリーズの原点回帰というテーマに則り、シリーズ前半のホラー調、パズル要素と後半の TPS 風味をほどよくミックスした仕上がり。「バイオ4」や「5」のように照準時動けなくなるということもなく、現代風の操作性となっており、グラフィックもほどほどのきれいさ。
 しかし今作主人公のクレアとバリーが時系列は異なれど同じ舞台を探索するのでダレやすい。「バイオ2」や「コードベロニカ」でも同様のシステムだったが、今作は全体マップが閲覧できず迷いやすいことと、特徴のない森、漁村、下水道などを延々歩かされることが飽きやすさの原因か。また外伝であるリベレーションズシリーズだからマップ作製の予算をけちったのではないかと勘繰ってしまう。

 クレアとモイラ(バリーの娘)、バリーとナタリア(新キャラ)を切り替えながらゲームを進行。主人公と同行する仲間がいるのはシリーズでは定番。また「バイオ0」と同様のプレイヤーザッピングシステムを採用。ゲーム内で操作キャラを切り替ることができるがあまり上手く機能していない。前作のリベレーションズであった「ジェネシス」のよるアイテム探しが、相棒によるライト照射や指差しなどに換わっただけで、いちいちキャラクターを変更するのが面倒くさいだけに感じた。操作キャラを入れ替えながらすすめる謎解き場面なども一部あるが必然性を感じられなかった。

 今回の物語は孤島に幽閉されたクレアとモイラの脱出行と、これを助けに向かうバリーと謎の少女ナタリアというもの。あくまで外伝であるリベレーションズなのでバイオハザードシリーズ的に話が大きく進展することはない。まあこれは本編「6」でも何の進展もなく、今後もダラダラとシリーズが進んで行くのだろう。
 シリーズ恒例の自爆スイッチ、変態するボス、ロケットランチャーみたいなお約束はしっかり受け継がれていて、バイオハザードはこういうもんだよなとしか言えず。少なくとも製作サイドに新たなバイオシリーズを作ろうとか挑戦しようとかいう意気込みは感じられない。
 なおストーリーモードは若干ボリューム不足。スキルによる成長要素や実績解除によるアイテム獲得など周回プレイを前提として作られている感じ。逆に言えば肩の力を抜いて「バイオハザード」を楽しむ分には十分。「バイオ6」のようないつになったら終わるんだろう感や初見ごろしの「QTE」イベントもないのでストレスが溜まらないのは良かった。

2017年12月30日土曜日

1000ピース ジグソーパズル スプラトゥーン

 もうかなり前に購入済みだった1000ピースパズル「スプラトゥーン」がついに完成した。これだけ暇な時間がなければ完成できなかったかも。

 購入は二年前。Amazon で調べると2015年11月7日注文となっていた。WiiU で発売されたスプラトゥーンにはまり、またその絵柄がとても気に入ったのでポスターでも貼りたいなと思ったがこれというものがなかった。確か大きさが小さいのばかりだった記憶。調べるとパズルも発売されており、50×75㎝ と十分な大きさ。完成できるかなど考えずに軽いノリで購入した。
 届いた箱をあけて愕然。ちっちゃいピースが山の様。ネットでジグソーパズルの解き方なんかを調べつつ軽く手を出すがまったく出来る気がしない。まずは角を完成させて、色別にピースを集めてなんてやってみる・・・が、初心者が一日で完成できるはずないのに大きすぎて完成したピースを置いておくところすらない。
 環境をそろえて再挑戦だなとピースをばらしてタンスにしまった。

 以下、
 1)フレーム・・・完成したピースを置いておく台の代わりにもなる
 2)のり・・・最初に完成する端のピースや確定分を台紙に貼る
 3)テープ・・・台紙に貼れない完成ピースを仮止めする
 4)仕切りつきケース・・・色分けしたピースをまとめるため

 初回の失敗から上記のものが必要と考えた。そして再チャレンジ。まずは端っこのピースを分類、続いて残りのピースを色分け・・・めちゃくちゃだるい。裏返ったピースを表にするだけでも一苦労だし、明確に「このピースは青、これはオレンジ」なんてわけられるのは一握り。基本的に青とオレンジ混在、さらにグレー追加、分類不能!とかになってしまい、細かく分けて行ったらキリがないどころか、どう分類していたのか分からなくなる始末。
 仕切りつきケースにとりあえず入れていったが容量足らなさすぎ。しかもピースをつなぎ合わせる時は全部表にして広げないとわからないのでケースに入れると不便。結局小さめのポリ袋を何枚か用意して、大体青、大体オレンジなどと大分類後、青多め、三色均等、特徴的マークあり、など小分類していくこととなった。
 ここまでやって気力がなくなり、というか毎日少しずつやっていくのか?と自問した結果ほかにもやりたいことあるから無理という結論が出て、タンスに直行してしまった。

 今回の骨折で時間が取れたので、アレを完成させるのは今しかないと思い出し、毎日2,3時間ずつ進め、結局一週間近く掛かったもののついに完成した。
 1)前回分類してあった端っこのピースをつなぐ
 2)フレームに張り付ける
 3)完成型である箱絵を見ながら特徴のあるピースをつなぐ
 4)イカやロゴ等、完成部分を仮置き(テープは不使用)
 5)完成した部分の周囲を埋めていく
と、王道な展開でパズルを解いていく。あれだけ小さくて無秩序だったピース一つ一つが意味を持って並べられていくとだんだん一枚の絵になっていくのは苦労もしたけれど楽しかった。また時間だけは沢山あったので、短期間で完成させねばという使命感がなく、毎日コツコツ、集中力が途切れたらここまで、とリフレッシュしながら出来たのも大きい。気楽に続けるこれ大事。
 最期は予想通り一面オレンジインク等という手掛かりなしのピースが残り途方にくれたが、終わってみれば分量的には大したことないのでトライアンドエラー(別名ゴリ押し)で完成させた。最後のピースをはめた時は達成感があったよ。

 現在のりを塗って乾かし中。サイズ感もあるので飾ったら見栄え良さそう!

2017年12月29日金曜日

男たちの大和/YAMATO

 一時、明治から昭和における戦争モノにはまり、二百三高地や連合艦隊、動乱などを続けて観たのだが、古い映画が多いのでさすがに飽きてしまった。そのころウォッチリストに登録しておきつつそのままになっていた「男たちの大和/YAMATO」を観ることにした。
 同作は割と最近の映画だし、公開当時実寸大の大和の一部を製作したりなど、少し話題になった記憶があるが、鑑賞後感想と言えば、まあ何というかよくある日本の第二次大戦モノだった。何度となく作られたであろうお涙頂戴系の感情的な反戦がテーマ。作劇を下士官や一水平の視線で描いたというが別に目新しい感じはない。

 冒頭、鈴木京香が大和記念館を巡るシーンを背景に、当時の状況をナレーションで説明し出したので、ノンフィクションなのか?鈴木京香は何のためにいるの?と少し期待したが、結局つまらない物語が始まってしまった。
 売りはリアルに再現された大和甲板と CG による戦闘シーンで敵機の攻撃を受けた兵隊たちの血がドバっとはじけて人が吹っ飛ぶ。プライベートライアンあたりから戦争の悲惨さを訴えかける常套手段となった感あり。しかし戦闘機の重機関銃が当たったらもっと粉みじんになりそうなものだが・・・というか上げ足とりっぽくなるので止そう。

 むしろこの映画に対して期待していたのは、何故そんな悲惨な状況となってしまったのか、止めることが出来なかったのかを現代の目で冷静に分析すること。しかし終戦から70年(同作が製作された当時で60年)たつというのに金の旗印がごとく戦争の悲惨さを訴えかけるだけに終始。ベースがそれだから悲壮な戦闘場面も残された人々の悲しみも心に響かない。
 日本映画界はいつまで被害者面なんだろう。
 もし現代、北朝鮮がミサイル攻撃をしたとして開戦、敗北したとして、彼らが苦しかった人民の姿ばかりを描いたとしたら我々はどう思うだろう。

 
 ところで任天堂が Nintendo Switch 販促のために行ってきた「よゐこのマイクラでサバイバル生活」の最終話が公開された。よゐこの掛け合いが面白く、マインクラフトへの興味を掻き立てるにはよく出来ていた。
 マインクラフトはブームも初期のころ PC 版( JAVA 版)を購入済み。少し遊んでみて収集要素とかクラフトに興味を持てず放置していたのだが、春先から始まった「よゐこのマイクラ」に感化され、再挑戦してみようかとダウンロードしていた。しかしキーボードでしか遊べないのでお手軽感がなく再び放置。しかし今回の放送で三度のマイクラ熱に襲われてしまう。

 コントローラーで遊ぶべく「Joy to Key」を設定。前回も同様に設定したが、Xbox360 コントローラーの左スティックの感度が敏感すぎて、自然と左方向へ歩いて行ってしまうという症状を改善できなかった。
 最近は WiiU プロコントローラーにて PC ゲームを遊んでいるので状況が改善されるかもしれないと淡い期待を込めて再開。しかし WiiU プロコンもスティックの敏感さは解消されることなく、左へと歩いて行ってしまう。仕方ないので左スティックは封印。十字キーで移動するよう設定したが、やはり左スティックで移動という環境に慣れてしまい、どうも使いにくい。インベントリ画面もマウス操作をスティックで代用している感ありありで、アイテム選択を始め使いにくさが目立つ。
 何か改善策はないかなと思えば「 X Input Plus 」というソフトでスティック感度を調整できるようなのでさっそく試す。しかし「 X Input Plus 」自体の設定は上手くいくのだが、マイクラが X Input に対応したゲームではないので、設定を反映させられそうになかった。

 素直にキーボードで遊ぶかと思いつつ他の情報を収集してみると、JAVA 版と別に Windows10 版があるとのこと。これについては春先に再ダウンロードした時に調べていたため、今回遊んだバージョン= Win10 版と思い込んでいた。もしやと思って MOJANG のアカウント管理ページに飛んでみると、マイクロソフトとのアカウント連携を行っておらず、Win10 版はインストールされていなかった。何やってたんだ当時の俺。
 結局 Win10 版をプレイしてみれば、当然のようにコントローラーに対応しているし、最適化もされていた。ここまで3時間ほど無駄な時間を浪費。バイオハザードリベレーション2をやる時間がとれなくなってしまった。

2017年12月27日水曜日

GANTZ:O

 奥浩哉の著作を読んだこともあり、CG映画「GANTZ:O」に興味がわいた。原作漫画は当然読んでおり話の筋はわかっているので、ササっと評判を見てみると高評価ばかり。なら見てみようかとなった。
 今作は長編漫画である「GANTZ」の中から大阪編に舞台を絞り、また原作を知らない人でもわかるように背景を少し手直ししてある。ただし些細な改変なので原作ファンとしても許容できるレベル。もっとも原作を読んでない人が見て理解できるかは不明。

 元々「GANTZ」は背景作画に CG を取り入れていたことで有名。正確なパースや精細な描画が特徴であり、今回の CG 映画とも相性が良かったようだ。また特徴的な武器などがよりリアルに描写され、普通の銃のように撃って終わりではないギミックも上手く動画化されていた。原作ファンからすればまさに漫画の世界がそのまま動画になった感がある。
 キャラクターも原作の味を上手に取り込んでおり、元々盛り上がる大阪編ということもあり感情移入しやすい。レイカと杏の胸が揺れすぎなのはご愛敬か。漫画で衝撃的に描かれた大阪チームメンバーの死亡シーンもきっちり再現している。人体欠損表現もしっかり行うことで悲惨な戦闘場面はより悲壮なものとなり、特に杏の最後は悲しくなる。

 玄野は冒頭シーンのみで加藤は新設定の独立したストーリーと思いきや、ラストで原作とうまく融合させることにも成功。筋肉ライダーもワンカットながら登場させるなどファンサービスも巧み。確かに高評価ばかりならぶのも無理はないなと思う作品だった。


 そういえば先日、Amazonのオリジナルタブレット「Fire HD 8」を購入した。セールが行われていて4,000円引きだったため。スマホがあるので必要ないかなと思い、欲しいながらも購入してこなかったタブレット端末だが、セール後価格が8,000円であれば失敗してもいいかなと思えた。Nintendo Switch にブラウザ機能があれば便利なのにと思っていたが、これでしばらく不要になった。
 当たり前だが使用感はスマホとほぼ同様。Andoroid ベースながらオリジナル OS で動作しているというのがやや引っ掛かるが、正直スマホアプリはほとんど使用していないので支障ないはず。それよりもスマホより広い画面で当然文字も大きいし入力もしやすいしで便利。テレビを見ている時やゲームの攻略を見たい時などにサッと別画面でネット閲覧できるのは便利だ。WiiU は本来こうあるべきだったのにね。
 若干本体が重くて一回り大きすぎたかなという感はあるが便利便利。

メン・イン・ブラック3

 SFコメディの「メン・イン・ブラック」。パート2までは劇場で見たのだが、正直第三作があったことは知らなかった。プライムのリストに出て来た時は、既に見たことがあると思っていたが、紹介文を読む限り記憶にない。そもそもジャケットに出てくる三人目がこれは一体誰ぞ?無料で観ることが出来るようなので今回はこれにした。

 鑑賞後感想としては上映時間は二時間以内なのでだれることなく観ることが出来た。グロテスクな宇宙人やくだらないジョークなど前二部作を踏襲した感じの雰囲気なのも好感が持てる。
 年齢の関係でアクションシーンがきついのか、トミー・リー・ジョーンズはあまり出ない。代わりに過去の世界で若かりし頃の「K」が活躍する。少年時代の「J」との絡みという落ちはちょっと予想通り過ぎてどうなの?という感じではあるが、まあファミリー向け映画なのでこの程度なのだろう。


 Steamウインターセール開催中。ゼノブレイド2もクリアしたことだし、安くなったゲームをいくつか購入することに。今回開発したのは、

 DOOM
 Civilization4
 Kerbal Space Program
 Biohazard7(グロテスクエディション)

 「Civilization4」はコレクション的購入だな。ユニットがスタックできるクラシックスタイルのCivとしては最後のゲームだし。本当は Revolution 程度の気楽な奴がいいのだが、PCでは発売されないので仕方ない。前々から買おうと思いつつも日本語に対応していないので見送ってきたのだが、今回調べたら日本語化できたので買った次第。さっそくパッチを当ててみると普通に日本語化された。
 コレクションとは言うが、まあ何回かは遊んでみよう。

 「DOOM」は Switch で発売が決まっていて、海外ではすでにリリース済みなのだが、FPSはこの所遊んでいなかったので買うのをどうしようかと思っていた。性能的には PC や PS4 等に劣る Switch 版は携帯モードでも楽しめるのが売りなのだろうが、個人的には据え置きモードでしか使っていないし。
 今回ウインターセールで1,600円という破格だったので、Switch 版は見送り。PC版を購入することにした。
 ダウンロードにすごく時間がかかり、容量でかいなと驚く。試しにプレイしてみると画面が暗転したままタイトルが出てこない。PCの性能が足りないとかでハングアップか?と思わせるほど待たせてからロゴが登場。タイトルからスタートまでも割と時間がかかる。
 ゲーム自体は洋ゲーシューターとしか言いようがなかった。もっともこのジャンルの代表作なのだから当たり前。軽く遊んでみたがエネミーは利口だし、コントローラーではなかなかエイムできないしであまり楽しめない。マウスで遊んだほうがいいのかな。

 「Kerbal Space Program」はまったく手をつけていない。日本語で遊べるのか試した程度。ロケット開発のシミュレーションとのことで楽しそうだが。

 「Biohazard7」は散々悩んだ末に購入。どう考えてもしばらくは積むことが予定されてるからな。「Bio7」をやる前にここまでのシリーズを全部遊ぼうと考えていたが「4」で行き詰まり。あまりにも「4」の操作性が前時代すぎるからなあ。一般には人気作だが個人的にはまったく思い入れもないし。
 ただ値段がかなり安いので買っておくことにした。で、ついでに「7」までのバイオシリーズでまだクリアしていない「リベレーション2」をプレイすることにした。本来「4」をやらねばならないのだが、せっかく時間を取れるのでやったことのないタイトルを遊ぼうということ。


GANTZ な SF 映画論(奥浩哉、集英社)
 この間、荒木飛呂彦の「奇妙なホラー映画」という漫画家による映画評論本を読んでなかなか楽しめたので、同じような同書を読んでみた。奥浩哉は「変」シリーズからストーリーテリングが上手いなあと思っていた。当然「GANTZ」も読んでいる。
 割と有名な作品が多く取り上げられ、著者自身A級タイトルが好きとのこと。作品にたいする論評というよりは、自らの作品に対する影響や自身の思考に関する紹介が目立ち、SF 映画ファン向けというより奥浩哉ファン向けだった。

2017年12月24日日曜日

エスター

 不気味な少女の一枚絵だけというシンプルなジャケットで紹介されていた「エスター」。少女物のホラー映画で、オーメンやエクソシスト的なものかなと思っていたが大変よく出来ていた作品だった。
 少女の正体はいったい何者なのか?というのが謎となっていて、まさかのオカルトで逃げるのかと思いきや、ホルモン障害によって実年齢より子供に見えてしまうだけで、実は33歳の大人の女性というのは確かに驚かされた。
 主人公の母親はじめ子役たちの演技も素晴らしく、しらけることなく見入ってしまった。特に妹役を演じた子がかわいらしく、聞けば役者本人も難聴を患っているとのことで、自然な仕草が良かった。

ゼノブレイド2

 骨折養生のため外出もせず引きこもっているわけだが、その間ずっと「ゼノブレイド2」を進めていた。ボリュームのある、ありすぎるゲームで、細かい部分まで遊んでいたらまだ終わっていなかったが、ストーリーが盛り上がって来るとその辺は手をつけるのももどかしくなり、枝道を後にして本日ついにクリア。最後は感動のエンディングだった。
 少年と少女が出会うという典型的な「Boy meets Girl」のストーリーに少年の成長物語が噛み合わさって、よくあるジュブナイル、冒険活劇ではあるが、背景にある SF 要素、散々語り尽くされているものの結局答えなどない人生哲学「人はどこから来て、どこへ行くのか」といった題材を取り込んでいるのが良かった。
 結果ここ一週間観てきた映画よりよっぽど感動できた。これでシステム部分が初心者にも分かりやすい体裁を整えていれば、もっと受け入れられるだろうに残念である。万民受けの「ドラゴンクエスト11」とは反対の方向へ進化を遂げた「 JRPG 」だった。

 プレイ時間は約100時間。クエスト部分は練り込み不足で、これは前作「ゼノブレイドクロス」でも同様だった説明不足から引き起こされるもの。お使いを出されるもののどこへ行けばいいのか、どこに行けばあるのか分からなくて途方に暮れてしまう。
 もっと情報をくれればいいのにと感じるがこれは確信犯。おそらく大きなフィールドを用意した理由のひとつである探索要素を演出すためであり、あえて情報不足にして世界を探検してもらおうというのだろう。
 戦闘についてブレイドコンボが出せるようになると大ダメージを与えられるようになり楽しくなってくるのだが、ブレイドコンボ、チェインコンボがどういった順番でつながるのかの説明がない。弱点属性についても同様。ポーチアイテムも使うとかなり有用なのだが、理解できないとただの大量なアイテムの羅列にしかすぎず、こうした部分の説明が不足しているのはもったいない。
 その他アップデートされたとはいえ見にくいマップやら、ブレイドの付け替え情報参照の見にくさ使いずらさ、強要されるスキルシステムなどシステム面に関しては不満満載。Amazonのレビューを少しだけ読んでみたがどれも「そうだね」と思うものばかり。最終話のレニと一人で戦わねばならない場面は詰んだか?と思った。
 しかし平凡なストーリーがだんだん熱くなっていく展開はやはり楽しく、これほどストーリーを語る RPG ってしばらくなかったんじゃないか?と思わせる。これで分かりやすいヘルプ機能と使いやすいユーザーインターフェイスがあればと思えば残念。ファンを拡大するような大きな売り上げにはつながらないだろう。

 アニメタッチのキャラクター達も遊んでいくうちに違和感はなくなり、子供子供していた主人公もだんだん頼もしくなってくる。それは夢と希望だけでなく、挫折と立ち直りを盛り込んだ展開に感情移入できるからで、陳腐な言葉だけで超常的活躍をするヒーローものとは一線を画しているからだろう。
 中盤までは長いムービーシーンに辟易としていたが、ストーリー展開とともに見せ場が増え、キャラクター達への感情移入が進んでくれば興味深くなってくるもの。よく動く主人公と敵たちとの殺陣も見事で、ひとつのアニメ番組を見たような充実を誇っている。
 願わくばこのクリスマスに Nintendo Switch を手に入れた子供たちが、問題のあるシステム部分を乗り越えクリアして、心に何か残ってくれると幸い。前作「ゼノブレイドクロス」同様、万民にお勧めは出来ないが良いゲームだったと言える。

2017年12月22日金曜日

キングコング:髑髏島の巨神

 レジェンダリー版「ゴジラ」(ギャレゴジ)から始まるモンスター映画のシリーズということで、期待しつつ劇場へ行こうと思っていたが、気がついたら公開が終わっていたシリーズ。今回の骨折で・・・(以下、略)。
 オープニングの一コマに「ムトー」と出ていたり、「モナーク」という組織が存在するなど、ギャレゴジのシリーズだよと言わんばかりの設定を最初から打ち出している。エンディング後のラドン、モスラ、キングギドラを想起させられるシーンもとてもいい。個人的に「アヴェンジャー」は興味がなくて見ないが、そのファンたちの心理がわかる気がした。
 映画の内容はもう本当、ただのエンターテイメントモンスター映画。テーマもくそもない感じ。キングコングも冒頭から出し惜しみなく登場する。
 こないだ見た「エイリアン:コヴェナント」と違って馬鹿すぎる軍人(サミュエル・L・ジャクソン)の行動に腹が立たないのは設定と演出の違いなんだろう。向こうは巨額の予算を講じて宇宙船のCGを作り、こちとら高尚なSF映画でございと鼻高々にしているからこそ科学者の行動に馬鹿じゃない?と言いたくなるわけで。一方の「キングコング」は70年代のベトナム軍人だから、まあしょうがないか馬鹿でもと納得してしまうのであった。サミュエル・L・ジャクソンだしな。
 主役はあくまでもキングコングだから元SASの主人公は雰囲気だけでまったく活躍しない。軍人と合流後、まずは北の合流地点へ向かって出直せばいいのにそれをせず。帰りは川への道を見失う。最後は船に向かってくるヘビトカゲに対して「俺に任せろ!」と別方向へ走り出し、このあと何かするのかなと思う間もなくコングがトカゲにハードパンチをぶちかまして見せ場終了。笑えた。
 また今作はあくまでギャレゴジを第一作とする「モンスターバース」シリーズであることに徹底しており、初代「キングコング」とそのリメイクのようなコングとヒロインとの愛情の芽生えがほぼ描かれないのもいい。それらしい振りはいくつかあるのだが、その後のシリーズが控えているからと言わんばかりに愛情を深めることはない。
 ピータージャクソンの「キングコング」に比べれば、感動する部分は本当まったくないが、自らの立ち位置をしっかり理解して、今後のシリーズにつなげるための作品としてエンターテイメントに徹した作りは好感を持てたし分かりやすかった。面白かった。テーマんなんて糞くらえ!謎なんていらない!

ウルトラマン(2004)

 大人向けのウルトラマンとかで評判がよろしかったので観てみた。残念ながら終盤の新宿での戦い以外はイマイチだった。子持ちのウルトラマンというのは新しいが、そもそもウルトラマンは子供向けだし、この映画を子供が見ても感情移入するところがない。
 ウルトラマンの造形も甲冑を着たどちらかというと仮面ライダーのような感じがして受け入れられないし、もっとも昭和のウルトラマンシリーズまでしか知らないのだが。
 登場人物も無個性でこの作品ならではの設定がない。病に侵された息子のために自衛隊を退官する主人公。最愛の恋人が宇宙から来た青い彗星によって怪物に変身してしまった女性科学者。高圧的で思慮の欠片もない武官などなど、どっかで見たような設定ばかりで、しかも予想通りの行動しかしない。
 しかも大人向けという割には予算がしけているのか見るからにちゃちいシーンばかり続く。終盤の戦いもこうしたちゃちい場面ばかりだったので「おっ」と思っただけで、切り取ってみればべつに大したことはないし。
 莫大な予算を投じたハリウッド映画を見慣れている人達にこの映画を「大人向けのウルトラマンです」なんて言っても説得力はない。それでいてストーリーが暗くて楽しむところがないから子供にも見向きをされないとなれば、興行的に失敗しても当然だろうなと思った。
 大人向けというのであれば「シン・ゴジラ」くらい突き詰めて設定や脚本を仕上げるべき。できないなら少ない予算でこれまで通りのセンスオブワンダーにあふれたジュブナイルヒーローを模索すればいいじゃないか。そのどちらも出来ずに路線変更なんて逃げでしかないと思う。

ゴーストバスターズ

 オリジナルのゴーストバスターズは大好きで、仲間たちを語らって自主映画を撮影してしまったほど。また「3G」決戦とうたわれた中では一番内容不明なPRを行っていた記憶があり、そこもまた「知る人ぞ知る映画=自分だけの宝物」感に浸れたものだ。
 その後「2」が作られたものの原作ほどのムーブメントは起きず、長きの沈黙を続けていたが海外ではゴーストバスターズ3と言えるくらいのクオリティをほこるゲーム(ゴーストバスターズ:アーケード)も発売され、海外版を遊んだものの当然翻訳されておらず残念に思ったものだ。
 ちょうどそのころ実写でもゴーストバスターズの続編が撮影されるなんて話が持ち上がり、年老いたオリジナルメンバーから若い隊員にバトンタッチするストーリーと聞いていたがそのままお流れ。しばし忘れていたころに今作が登場となった。
 今回は完全リブート作。ビル・マーレー始めとするオリジナルメンバーはゲスト出演程度。しかも新しいゴーストバスターズはみな女性というオリジナルファンには「?」マークのつく設定。劇場へ足を運ぼうとしつつも期待が持てず、せめてBDでも買おうかと思ったがそれも二の足を踏んでいたが、今回の骨折もあり動画配信にて鑑賞することになった。

 感想としては悪くない映画だった。しかしオリジナルは偉大過ぎたと言わざるを得ない。原作を踏襲しながら、時折ファンがニヤッとしてしまうようなリスペクトを含めつつゴーストバスターズが結成されるのだが、ここまでが長い。キャラクターを立てるためにバックボーンを説明しなければならなかったことはわかるのだが、もうゴーストバスターズ設立までの面倒くさいのはオリジナルで散々見てるからいいよてな具合だった。
 その分結成後は乗りも良く、相変わらず昔からのファンを大事にしているようなネタ、シーンが満載で十分に満足できたし、丁寧にキャラクターを描いたからこそ面白さも増している。

 ただしオリジナルメンバーの独特な存在感にはかなわなかった。これは「ゴーストバスターズ=科学者がお化け退治をするお話」であり、真面目なSF映画として作ることもできたし、おそらくダン・エイクロイドはそうしたものを目指そうとしていたようだが、「お化け話なんて馬鹿らしいでしょ?」とでも言わんばかりに斜に構えた演技をするビル・マーレーがシリアス感をぶち壊す。この軽い感じが80年代という時代に即していて、名作でもコメディでもない独特の立ち位置、カルチャーとなった。そしてオリジナルのその雰囲気は本人たちも再び作ることは出来なかったから「2」はイマイチで「3」はお流れになったのだろう。ましてや無関係の女性メンバーでは、である。
 製作者のオリジナルに対する敬意は十分汲み取れたし、女性隊員の個性もなかなか良かった。馬鹿マッチョ始めとするステロタイプなギャグは苦笑しながら笑えたし、悪い映画じゃない。しかしオリジナルの「ゴーストバスターズ」は誰にも、本人たちにも真似できない「カルチャー」だった。これを昔一世を風靡した一映画作品程度に見立ててリブートを仕掛けても、それは叶わないのは当然であった。マーケティングありきのソニーピクチャーズらしくはある。

2017年12月19日火曜日

エイリアン:コヴェナント

 今日は何を観ようかとアマゾンプライムを調べてみたら、今秋公開されたばかりのエイリアン:コヴェナントが配信されていたので有料ではあるがさっそく観ることにした。
 本来は映画館へ行こうと思っていたが前宣伝の割りに公開時期がはっきりせず、そういえばと思って調べ直したところ公開が終了していた作品。エイリアンといえばSFホラー映画の金字塔にしてシリーズ作がいくつも出ているのにこの扱いかと驚く。ホリデーシーズンに上映されるでもなくひっそりと公開され終了していく。先だって観たブレードランナー2049にしても同様だ。
 これは劇場収入があまり見込めず、であればサクッと上映してしまい、レンタルビデオで回転させたほうが儲かるということなのだろうか。。70年~80年代に本編を観た世代がまだ健在であるのに勿体ないと思う。せっかくのシネマコンプレックスが無価値にすら感じる。
 これまで映画鑑賞料金が高すぎたことで、映画を見るのはもっぱら自宅のDVDでというのが主流になってしまった弊害なのだろう。今ではレイトショー、年齢や性別による割引などで千円程度で気軽に観れるようになったが、周知されていないのか。

 前作は「プロメテウス」という題名にしてエイリアンシリーズから逃げた格好となったが、今作は題名に「エイリアン」を入れてシリーズに向き直った。これは前作の興行的評判的な失敗を鑑みてのことだろうか。
 実際今作ではギーガーがデザインしたビックチャップと同じ造形のエイリアンが登場する。CGで描かれるのでスピーディに動くものの、何か怖さを感じさせないのは全身を見せすぎだからか。野外におけるエイリアン(プロトタイプ)の襲撃や、脱出時における貨物船上での戦闘などは新しい映像ではあるもののエイリアンぽくなく、かと言って母船に戻ってからの何度目かの死闘に至っては「おいおい、またエイリアン1をやり直すのかよ」と辟易としてしまった。
 さらにエイリアンは物語の主役ではなく、アンドロイドのデビットが主人公となっているのも後のシリーズとは大きく異なる点。人によって作られたアンドロイドが自らの能力に目覚め、また人間のように種を繁栄させることのできないことから、我が子たるエイリアンの誕生に執着する。まさに親殺しを題材としたエディプスコンプレックスが垣間見えるが、果たしてこの映画を見に来たファンに届くのかと言えば疑問。
 また「プロメテウス」と同様、登場人物の行動に対し馬鹿さ加減ばかり目立ってしまう。一度目の医務室での血に滑ってひっくり返るのはわざとか?二度繰り返すということは笑うところなのか?
 エイリアンVSプレデターもシリーズ公開され、いまやエイリアン単独では怖さが足りないから安売りするしかないのかも。であればリメイク(リボーン)する必要性を感じられないし、結局この映画は「エイリアン」第一作に続く結末になっていないせいで話は終わらず、いったい何が言いたいのか分からない。まさにあってもなくてもよい映画となってしまっている。
 何でホリデーシーズンにて大々的に上映しなかったのか?それはそれほどの作品ではないから、というのが答えなのだろう。

事故ったので

 足の骨折によりしばらく療養生活。医者によれば全治には5,6週間から2か月ほどかかるらしい。松葉杖で歩き回るのは思っていた以上にきついので、骨がくっつくまでしばらくは自宅で療養生活だ。引きこもりである。

 何もせず暮らすのも勿体ないので毎日映画でも観ることにする。1,2本観ようと思うが内1本は必ずこれまで見たことのない作品としたい。こんな時アマゾンプライムは便利だ。またゲームをクリアし、本も読もう。買って積んでいただけのゲームや本をこなすにはいい機会だ。スターウォーズの新作を観に行けなくなったのは残念だがしかたあるまい。


ゼノブレイド2
 まだクリアは出来てない。前作ゼノブレイドの続編。ストーリー的にはつながっていない感じ。ムービーシーンがアニメかと思わせるくらい長い。それなりのグラフィックなので立ち絵と会話だけで進む安物 RPG に比べれば見応えはあるが、プレイヤーを放っぽりぱなし感あり。
 また戦闘やシステムに関してチュートリアルがあるものの、その場では意味が分からず理解不能。後になって「これってどういう意味」と思ってもヘルプ機能がないので分からず仕舞いというのはどうなのか。キズナシステムによって楽しさや難易度が変わるだけにシステムの理解が出来ないままなのは勿体ない。知って遊べば大ダメージを与えられて爽快なれど、知らねばただキャラクターたちが勝手にワチャワチャやっているだけにしか見えない。この辺は昔ながらのコマンド式を採用し続けているドラクエと好対照だ。
 今第五話まで進み、バックボーンが明かされストーリーが盛り上がってきているところ。シンの存在だけが謎に包まれている。暴走するアルスを止めなければならないが道中の敵が強すぎるのでいったんサイドクエストをこなしてレベルアップを画策しているところ。
 しかしサイドクエストがかなり面倒くさい。ただアイテムを持って来いというありがちな「お使い」から脱却しようとしているのだろうが、指示された A を終わらせると B が提示され、さらに C も・・・となるから面倒くさくなること甚だしい。ただでさえメインストーリーからブツ切りされたミッションであることに加え、どこにあるのかわからないアイテムを集めてこなければならないのが大変。ゼノブレイドクロスに比べれば場所の指定がピンポイントになっているものの、指定される地名が行ったことのない場所であれば表示されないのでフィールドをふらふらする羽目になる。せっかくのオープンワールドを堪能して欲しいのだろうが、高低差のあるフィールドでかつマップがとても見にくい、使いにくいこともあり迷いまくりである。正直ネット情報に頼ってしまおうか悩み中。
 Wii から続くゼノブレイドシリーズが前評判と宣伝の割りに販売数が伸び悩んでいるのは、こうした点にあるのだろうと遊んでみればわかるレベルなのが残念。


ペットセメタリー
 スティーブンキング原作のホラー。1989年上映と古い作品である。
 埋めると死体が蘇るが、狂暴になってしまう墓地。息子を失った男がそれと知りつつ息子をそこに埋葬するという話。
 まあ「世にも奇妙な物語」レベルのお話しではあるし、今にしてみれば怖さもそれほどではない。子供もいない自分には男の行動が理解できないし。だからこそこれまで観てこなかったんだなあという感想。
 ただラストで蘇った子供に殺された奥さんを再び禁忌の土地に埋葬し、蘇らせるというのは予想を上回ったな。そもそも奥さんは善い亡霊の助力と助言によって舞い戻ってきたのに、何もせずに殺されてしまうのは不条理だと思ったが、この落ちのためだったのかと納得。キングらしいと言えばキングらしい。


荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論(荒木飛呂彦、集英社)
 そもそもペットセメタリーを読んだきっかけがこの本を読んだから。
 著者はジョジョの奇妙な冒険でお馴染みの漫画家で、個人的には魔少年ビーティー以来のファン。作品にただようホラー映画からの引用からこうしたジャンルには詳しいだろうなと思っていたがこうした本まで執筆していたのは知らなかった。
 内容は著者の好きなホラー映画の簡単な紹介で深い掘り下げや新しい解釈などはあまり見受けられないものの、ホラー映画ファンならお馴染みの作品がきっちり紹介されているあたりが正統派な感じで好感を持てた。


「風立ちぬ」を語る 宮崎駿とスタジオジブリ、その軌跡と未来(岡田斗司夫、光文社)
 最近の宮崎駿監督作品はカリオストロやラピュタの頃に比べると面白くない。ファンが求めているような映画をすでに宮崎駿が作る意思がないからだろうし、だからこその引退宣言なのだろうが、著者は「風立ちぬ」を読み解いて子供向けアニメのころと違う宮崎駿の言いたいことを分析する。
 「風立ちぬ」は個人的に引っ掛かるものがなく、冷たい主人公の映画だなくらいに思っていたが、この本による評を読んでなるほどと納得できた。主人公は宮崎駿自身の投影であり、彼の生き方については同意できないからなのだろう。ただし彼の作った作品群とはまた別である。

事故った!

 先日バイクで転倒。まさかの骨折となった。

 このところ夜勤をしているのだが、出勤が夜の7時半頃。7時くらいから出発準備をしながらスプラトゥーン2をやる感じ。しかしこの晩はスプラトゥーンの調子が良くなく、負け続けてしまいイライラが募った。
 普段であれば7時半になる前に切り上げるのだが止め時を失い再戦、しかもまた負けるという負のスパイラル。さすがにこれ以上は続けられぬと中断し、出勤することにした。
 バイクに乗って出発すれば前には車二台。先頭は右折禁止の場所で右折待ち。イラっとしながら待つ。やっと右折して前には一台となったが、このワンボックスが変な行動をとる。方向指示器を出したが曲がらずそのまま直進。指示器を再度出し直して自分が行きたかった道へと左折した。
 一緒に左折すれば良かったのだが、イライラが募っていたのでこの車の後ろについていくことが出来ず自分は直進。すぐ先には交差点、信号は青。交差点につく前に赤になってしまうかも。そうなれば直進したことが悪手となってしまう。勢いスロットルを回してスピードを上げる。直前で予想通り赤。ままよ、このまま行ってしまえ!

 曲がったと同時に強い衝撃。やっちまった・・・!

 オーバースピードでの転倒。すべて自分が原因。なんでこんなにイライラしていたのか。転倒と同時にパリーンとミラーが割れる音がして派手に転んでしまったことに気付きつつ後悔する。
 大丈夫か、という声が聞こえ、車から人が降りてくる。すぐに立ち上がろうとするが立ち上がれない。バイクに左足が挟まれて動けない。立てますかの声。何とか足を引き抜こうとするもバイクの重みで引き抜けない。
 名もなきドライバーさんの助けでバイクを引き起こしてもらい、とりあえず交差点の真ん中から脇へと逃げる。事故の衝撃で体の痛みはさほど感じない。バイクはフロントカウルが吹っ飛んでしまっていた。ミラーも折れている。
 仕事どうやって行けばいいんだ?とそんなことしか考えられない。幸いエンジンはすぐかかった。自走できそうなので自宅へと戻りCBRに乗り換える。ここで先ほど挟んだ左足が痛み出してくる。
 リアボックスに積んでいる荷物をリュックサックに詰め直して出発。ギアチェンジが上手くできない。足が痛くてうまく動かせないのもあるし、足先の太い安全靴なのでチェンジペダルに足先を入れにくいからだ。

 集合場所に到着。左足を支えにして降りなければならないが上手くできない。だんだん足の痛みは強くなってくる。
 仕事の仲間には心配かけないようにしながらバイクで事故ったことを報告。痛みはどんどん増してきて、一度靴を脱いだのだが再び履くのが困難になる。立っているだけなら大丈夫なのだが、体重を掛けたり歩いたりするのが困難になってきたので早上がりさせてもらった。

 まだこの時点では痛いなりに歩くことが出来たので、事故ったばかりなので明日には良くなるだろうなんて考えていた。しかし翌日は痛みがさらに増し、歩くことすらできない。親に言えば心配されると思い黙っていたが正直に話し、湿布薬を買ってきてもらった。昨晩早上がりさせてもらった際、仕事には出てきて欲しいと言われていたが無理だ。会社へも報告して休ませてもらうことにした。
 この日は一日中ゆっくりしてさらに翌日。湿布の効果か昨日よりは歩くことが出来た。しかし仕事が出来るような案配ではない。足の腫れがひどく、また会社でも医者に診てもらえと言われていたこともあり、またこの時点でも骨折はないだろうと考えていて自分で治そうなんて考えていた。
 しかし骨折していないにしても市販の湿布薬よりは医者からもらう方が効き目がいいだろうし、逆に昨日より状態は良くなっていたことから骨折していないという確証が欲しくなって整形外科へと行くことにした。

 長い待合が過ぎ自分の番となる。レントゲンを何枚も撮られるが、指示された足の態勢をとるのがきつい。結果は「ひざは大丈夫ですが、足首の方はきれいに骨折している」とのことだった。まじかよ。痛みがひどいので半分覚悟していたが人生初の骨折。
 そのまま固定されて包帯を巻かれ、松葉杖で生活することとなった。

 これで年末年始の予定もすべてご破算。CB400なんて夢のまた夢。FAZEに代わるスクーターを買うことになるかもしれない。んーでもFAZEもカウルだけだったらそのまま乗ろうか・・・。
 それにしてもなんであんなにイライラしていたのだろう。
 このところ夜勤に加えて日勤もこなしており、知らずのうちに疲れやストレスが溜まっていたのだろうか。いつも思う。転倒してから、事故を起こしてから後悔する。もっと安全に走ればよかったのにと。日々の節制も節約もすべてが海の泡となる。