年末に納車されトヨタ「iQ」。ちょこちょこドレスアップや車内カスタムなど施したものの、年末年始はバイクでツーリングに出掛けてしまい、遠出をほぼ出来ないまま仕事始めを迎えてしまった。
通勤に使ってみて乗りやすさと取り回しの良さは実感したが、高速性能や山坂道での機動性など、もっと色んなシチュエーションにおけるこの車の性能を測りたい。
かくしてやっと休みを使ってテストドライブにゴー。伊豆半島をぐるりと走ってみた。
小田原~伊豆は国道135が直通。しかし高速性能も試してみたいので大井松田ICから長泉沼津ICまで高速道路を走ってみた。山北の高速コーナー区間や新東名高速の120km/h区間もあってテストには丁度いい。
走った感じ馬力の点では不満なし。高速巡航時も速度さえ出てしまえばオーバードライブになるのか低回転で走ってくれる。しかし追い抜きや巡航速度を上げたい時などはかなり回転数を上げていく感じ。加速しないということはないがエンジンは結構うなる。燃費もかなり悪そうなので、大人しく乗った方がいいのだろう。
直進安定性は十二分。以前乗っていたホンダフィットよりよっぽど安定している。フィットは高速走行時ハンドルが軽くなり、路面状況にあわせて絶えず修正させられた。一方この車はハンドルが軽くなることもなくどっしりとしている。あのショートホイールベースからは想像できない。しっかりとしたハンドリングなので高速コーナーも安定したライン取り。怖さを感じなかった。
静粛性についてはこんなもん。前車プログレに比べれば格段に落ちるけれど、普段バイクに乗っている身からすれば十分。うるさくてオーディオが聞きにくいということはない。
【高速性能】
小さな車体に必要十分な高速安定性は欧州市場をターゲットに開発されたからなのだろう。馬力もほぼ不満なし。
長泉沼津IC下車、沼津縦貫道を経て西伊豆スカイライン、国道414号、135号を走り、伊豆半島を一周した。
西伊豆スカイラインは戸田峠であいにくの降雪。チェーン規制が出ていたので過信せず引き返すことにした。ちなみにこの日は箱根峠も降雪。除雪されて規制は掛かっていなかったが寒波の影響恐るべしである。
引き返してR414で伊豆半島中央山岳部を走ったが、慣れていないこともあり下りの急坂、急カーブは怖かった。視線の高さ、ホイールベースの短さからスピンや転倒が気になってしまう。実際は車幅の広さからくる踏ん張り感で安定なのだろうけど、この辺は車への信頼感や慣れが必要。
CVTによるエンブレは「壊れない?」と不安になるくらいで怖い。ここも慣れか。
回頭性の高さは若干感じられるものの、またスタッドレスタイヤということもあり無茶な運転はできない。ただし切れ角が足りないとか切れすぎるといったことはなく、乗っていくに連れピシッと狙い通りに走れる雰囲気は感じられた。確かにこれでMTだったらと想像させてしまう素性があった。
ひとつ不満をあげるとしたらシート。少し硬さがたりず小さめなので体をビシッとホールドできない。左足を置くステップがないことも原因。そのため河津ループ橋のカーブは横Gが厳しかった。
【山坂道】
技術力と度胸がためされるワインディングにおいて、信頼関係が構築されていないので真価を見極められなかった。ハード面、ソフト面とも街乗りコンパクトカーの限界はありそう。一方で限界を調整した「GR仕様」が発売されたのも頷ける素性の良さは感じた。
下田に出てからはシーサイドラインをのんびり走行。ネットで見掛けるオーナーの意見としてピッチ方向で不満の声が多かったが、個人的にはほぼ気にならなかった。ガツンと飛び跳ねるほどの衝撃があるでもなし。自分が鈍感なのかも。段差を乗り越える際フワフワ感はなく、プログレ同様「ガンガンッ」といなしていく感じ。
道中何度か休憩に入ったが、駐車場内での取り回しの楽さは素晴らしい。この車にして良かったと思わせる満足ポイント。Cピラーが太すぎて斜め後方の見にくさはあるが、バックモニターを併用することで問題ナッシング。
街乗りと言えば、納車後しばらくは発進時のトルク不足が気になっていた。具体的には発進後少しアクセルを戻してから再加速する時にトルクが上がってこない感じ。
「駐車場から出発してすぐ右左折するためアクセルを戻し、ターンして再加速する」というシチュエーション。またはバックで駐車する「出発後ソロソロと後退。ふたたびグッと下がる」なんて時。iQは息継ぎが必要な感じの頼りないトルクしか出ず、加速しない。
しかしこれは大排気量で低トルクも太いプログレに乗っていた癖みたい。同車は発進時アクセルをグッと踏もうものなら不快感でしかない急加速をするので、ジェントルな発進を心掛けるにはかなり繊細なアクセルワークを与儀されなくされていた。その癖のまま半分以下の排気量になったのだから、同じようなアクセルワークでは上手く走れないのも当然。
今回のドライブで高速、ワインディングを走ってアクセル開閉の感覚がこなれたか、発進時の低速トルク不足があまり気にならなくなった。必要十分なアクセルオンが出来るようになったのかな。
【街乗り】
この車の得意分野。取り回しの良さは天下一品。低排気量なのでメリハリをつけたアクセルワークで低速トルクをカバーすると吉。
また長距離特性テストとして三島から河津まで100kmほどノンストップで走ったが特別問題なし。ただし本日全行程約250kmを走った所腰が痛くなった。直立気味の乗車姿勢だからだろう。
ファブリックシートはリフト機能がなく、自分には少し高めだが調整できない。この位置で少しリクライニングさせるとハンドルが遠い。ハンドルに上下チルトはあるが前後テレスコピックが出来ないのが残念。結果直立気味の乗車姿勢になってしまっている。
ついでだが、Clazzioのシートカバーを買うつもりでいたが、カバーをつけることで更にシートの高さが上がってしまうことが懸念され、購入を保留している。
プログレは福島、茂木からの帰り道など、一日中乗っていても疲労知らずの乗り心地だった。iQは乗車姿勢から考えて、こうした長距離ドライブは苦手かも知れない。次回は宿泊を伴う長距離ドライブにでも出掛けてその特性を見極めてみたい。
以上がiQの初ドライブ感想。
PS
特に問題ないと思っていた車だったが、カーナビをいじっていて案内音量が小さすぎることが発覚。スピーカー設定をいじった結果、フロントスピーカーから音が出ていないことが判明した。納車時バックカメラをつけてもらったので、その際ケーブルがきちんと配線されていないのかと疑った。
年明け車屋へ連絡して診てもらったところ、配線ミスではなくフロントスピーカーが壊れているとのこと。保証で修理できるか本社に確認すると言われたが、無事初期不良扱いで無償交換となった。
中古車は基本現状販売。契約前に発見しているとか、駆動系の不良ならまだしも、スピーカーという備品の不具合(しかもフロント以外は鳴っているので使い方によっては支障ない)は有償修理も止む無しと思っていたので、まさかのラッキーだった。
この車の不満がほぼ無くなったよ。
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