2018年8月31日金曜日

カメラを止めるな!

 少数館での上映予定がヒットのため上映館が増えるという話題作。盗作騒ぎなどで別の話題にもなっているそうだが、興味がなく詳しいことはよくわからない。
 オーシャンズ8を観に行こうと思っていた所、まさか小田原でも上映しており、さっそく観ることにした次第。
 いつもまばらな平日のレイトショーにしてはお客さんも入っていて、話題の作品なんだなと実感。

 最初は突っ込みどころだらけのゾンビ映画が始まる。冒頭すぎ「これ長回し?」と思っていたら、結局エンディングまでずっとワンカット。最後の最後で「ONE CUT OF THE DEAD」とロメロゾンビ映画のようなタイトルが出てなるほどーと思った。これは「ダイアリーオブザデッド」のようなPOV映画に対するテーゼなのか?
 映像も音声も並以下。所々意味不明な演技が入ったり、素人臭がすごいなと思ったりで少し退屈。この映画のどこが話題になったのだろうと思っていたら、ここまでは伏線。本編はこの素人のようなゾンビ映画が作られるまでの経緯とそのメイキングという劇中劇だった。そして退屈や疑問のすべてが大どんでん返しを見せる。

 これが冒頭の素人映画とは大違いでコメディタッチの元しっかり描かれ、意味不明だったあれこれがすべて解決されていくのが素晴らしい。計算されつくしたストーリー展開に見事にはまってしまった。
 胡散臭いプロデューサー連中と癖のある俳優たち。主人公たる板挟みの監督の苦悩が良い。ぶっつけ本番なのにアクシデント発生。監督が代役として登場すると、日々の鬱憤が思わずセリフとなる。冒頭のゾンビ映画で監督だけやけにテンション高かったがこういうことか。またその台詞がいい。普通に聞けば劇の中の台詞なのだが、実はこれまでの映画製作における本音が出てしまったというのが面白い。
 他にも間延びした演技や謎の行動をとるマイク担当の裏側。ラストの決めシーンで背景が見切れてしまった理由などすべて説明されすっきり。ああ確かに話題となる作品だ。

 

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