何年か前から任天堂が告知し、宮本茂がソフト制作の表舞台から消えてしまうほど付きっ切りで手掛けたアニメムービー「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を観て来た。
鑑賞前からの評判は上々で、北米ではアニメ映画における興行成績も順調。同時期に公開となった「聖闘士星矢」の不評もあって、相対的に株を上げた感じ。
ストーリーはベタ。王道「マリオブラザーズ」の映画化は、奇抜なアイデア無用。わかりやすくていい。そもそも明らかにローティーン辺りを対象とした子供向け映画だし。
とは言え導入部の配管工が上手くいかず、家族からもガッカリされるという下りはちょっとダラっとして、早く話が進まないかなと感じた。
地下にある謎の土管から異世界(キノコ王国)へ。その後の展開はスピーディ。守られるだけの存在だったピーチ姫はアクティブで行動的。クッパは表情豊かで仇役としての存在感十分。スーパーヒーローになり切れないマリオと臆病なルイージ。
どれもゲームのキャラクターを反映しつつ、映画向けにグレードアップした感じで楽しい。時折はさまれるギャグも面白く笑わされた。
ゲーム映画ということで設定だけにとどまらず、「マリオシリーズ」「ドンキーコング」「スマッシュブラザーズ」と言ったゲームが舞台に。過去に公開された映画「ピクセル」や「レディ・プレイヤーワン」のようなモチーフとしての登場ではなく、本家本元というのが嬉しい。
キノピオたちの役立たずぶり、モノトーンな闇のダークワールドと原色で派手な夢のキノコ王国が対比として素晴らしかった。
ラストはスカッとハッピーエンド。マリオギャラクシーに出て来た星の妖精「チコ」が謎を残したままとなっており、続編への目配せも怠らないのはご愛敬。
「わかりやすく楽しい」。ゲームの世界をそのまま映画にし、設定もケチをつけようがない見事な作品。マリオで育った大人から子供まで皆満足できる出来栄え。鑑賞後も悪い評判が起きにくい内容。ヒットして当然。
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