荒唐無稽痛快アクションと思わせておいて、ラストは暗めの終わり方。見所はやっぱり妄想戦闘シーンなんだけど、手放しで褒めてもらえないだろうな。
ジャパニメーションやマトリックスに加え、テレビーゲームなどからインスパイアされて作られた戦闘シーンはどれも客層が重なるので、興味のある観客にとっては楽しめる。アクションも派手だし、カットの割り方、シーンの見せ方どれをとってもマニア受けだろう。
それなのに大絶賛!と言い切れないのは、構造的に難しそうなストーリーにしたことと、爽快感を味わえないラストが原因だ。
虚構と現実がクロスオーバーすることが売りである以上、どっちが現実なんだ?と思わせるストーリーはこうしたジャンルでは常套手段。しかしこの作品は売りが脳天気なアクションシーンにあるわけで、観客は高尚なストーリー展開よりは単純明快な方を好むだろうし、実際に合うと思う。
それをわざわざメタ展開したことによって、深い感動が生まれるわけではなく、最後で消化不良感や違和感を感じてしまうのは、映画として失敗であろう。
材料良し、作り方バッチシ、盛り付け最高、最後で床に引っ繰り返した・・・て感じ。せっかくいいもの作ったのにもったいないねぇ。マトリックス(ただし第一作ね)みたく、単純明快だったら売れたろうに。
結局な、どう考えても監督のマニアックな趣味とかなければ成立しない作品だし、実際撮り方はよく出来ているので、そのマニアックさは正しかったのであるが、例えばチャーリーズエンジェルみたく楽しんで馬鹿を演じることは出来ず、マニアな映像ですが実は深い考えがあるんです、私頭いいでしょなんて言っているようで、往生際が悪いよな。馬鹿映画=馬鹿じゃないんだけどな。
そう思いWikiると、現時点で8千2百万ドルの制作費に対し興行収入が2千7百万ドル。だよなー。何度も観たくなるとか他の人に勧めたくなる感じじゃないからな。
戦闘シーンだけなら良く出来ているんで、DVDなどは売れると思うけど。まぁ何しろ残念な映画だ。妄想戦闘とロジックとも好みな作品だけど両立できない。ゆえにベタ褒めすることができない。そんな感じ。
今更だが押井作品そのまんまだな。
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