春先ごろから映画館の予告で流れていたおり、とても楽しみにしていた映画「ディスクロージャーデイ」を観た。監督がスピルバーグということ、宇宙人とのコンタクト物の雰囲気だったので現代版にアップデートされた「未知との遭遇」を期待した。
結果的には期待が上回り過ぎたことと、予想していた映画内容、テーマとかけ離れていたことでイマイチ乗り切れなかった。
テレビのキャスターが不可思議な言語をしゃべり始めたり、未確認飛行物体などの映像、牡鹿と少女の交流など、予告編で散りばめられた不思議な映像は、物語の中でたいした感動シーンになれなかった。
どれも物語からくる必然の内容で、そのセンスオブワンダーは鳴りを潜め、何が起こるか予想できる程度の内容に落ちてしまったからだ。
「宇宙人はすでに来訪しており機関の一部がこれを隠蔽して情報を独占している」といった80年代あたりの宇宙人感、陰謀論を今の世の中で大真面目にやられても時代錯誤としか受け取れず。令和の時代に「ムー」ですか。
「コンタクト」や「メッセージ」のように正面切って考察された宇宙人を描かれることはなく、ひと昔前の宇宙人(リトルグレイ)像のまま、その情報を開示するチームと隠し続けようとする機関の追跡劇が展開され、いつの時代の映画だよと言いたくなる。
そもそもエイリアンの情報を独占している組織が、さして画期的なガジェットを持つでもない欠落感。何故宇宙人のUFOは墜落し続け仲間を救出できず地球人に拉致され続け、それを放置しているのかも不明。未知なる惑星に降り立つのに宇宙服を着ている様子はなく、生物的には目鼻口や容姿が人類とあまり変わらない形状だったり、手を使い二本足で歩行をするのは何故。すべてに合理的な説明がない。
仮に「ディスクロージャーデイ」が訪れたとして、「で、何?」で終わりそう。劇中で語られていた北朝鮮による核戦争危機の方がやっぱり重大なんじゃないのと突っ込みが入りそう。全世界の人々や戦争の当事者たちがスマホで衝撃的な映像に夢中になる…絵空事にしか見えず説得力がない。
スピルバーグ特有のざらついた映像の元、良くあるカーチェイス、精神を乗っ取られて攻撃的になるヒロイン(ホラー映画の様)、予定調和なのが分かっているから全くハラハラできない列車シーン(しかも主人公が危機を脱したと同時に、追跡していた車の走ってきた幹線道路が見事に列車から逸れていくというね)、最期の見えない家や消防車にぶつかって派手に転ぶシーンなど「ギャグなの?」と言いたくなる。
どれもこれも肩透かしな演出でがっかりを助長してくる。俺が見たかった「ディスクロージャーデイ」はこんなもんじゃなかった。
しまいには秘匿映像どころか生身で保護されていた宇宙人そのもの(!)が現れメッセージを伝えるが、その内容は「!?」という所でスタッフロール。さんざん引っ張っておいて続きは皆さんにお任せします!とかね。適当な落ちが思いつかなかっただけだろ、なんて言いたくなってしまう結末。大失敗映画。
なお、秘匿グループのボスが満身創痍になりながら超能力を駆使するあたりはバビル二世のヨミみたいだな、と思った。
(あらすじ)
何かの情報がつまったUSBメモリーを持って逃げる男女と追う組織。
お天気キャスターからの転身を図る女性は赤い鳥を見て能力が目覚める。
USBメモリーに隠された情報は組織が隠蔽する宇宙人の情報だった。これは特定の組織が独占していいものではない。
組織は精神的にダイブする超能力を駆使し、ついに男を捕らえた。しかし能力に目覚めたお天気キャスターが謎の力で男を救出。組織のさらなる追跡によって列車に巻き込まれそうになるも逃げ延びた。
二人が逃げた先にある情報公開グループの隠れ家には、キャスターが昔住んでいた家が再現されていた。彼女が忘れようとしていた少女時代を思い出させると、かつて宇宙人にアダプテーションされ、能力を与えられていたのだった。
地方のテレビ局からメモリー内の宇宙人映像を世界へ発信する。その映像は全米へ世界へと流れていき、不穏だった世界情勢を押しとどめた。最後は匿われていた宇宙人があらわれキャスターへと何かを伝えた。キャスターは言う「聞いて…」(おわり!)
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