仕事上あまりカレンダーを見ない日々が続いている。そのため「海の日」という子供時代存在しなかった休日をすっかり忘れていた。聞けば週末は三連休。知っていれば先日悪天候の中、無理して伊豆一周などしなかったのに。
もう一度宿をとるのも金銭的につらい。来月になればロングツーリングが待っているし。また初日の天気もそれほど良くないようなので二泊三日から一泊二日へ縮小。初日は八ヶ岳にてキャンプツーリング。二日目は佐久からチェリーパークラインを目指す。
一日目
定番となった「週末二輪半額」にて中央道須玉ICを目指す。小田厚で圏央道に向かう道中渋滞情報。まだ7時だというのに相模原あたりで大渋滞発生。事故がらみだろう。仕方ないので中央道経由を諦め東名~中部横断道経由へ。途中まではついこないだ来たばかり。
中央道の韮崎~須玉まで工事にともなう対面通行となっているようで渋滞発生。わかっていて渋滞に飛び込むのも何だし、下道でもさほどの距離ではないからと高速を降りる。しかし走り続けることのできる高速と違い、ストップアンドゴーを強いられる下道は暑い。CB1300の排熱ってこんなにきつかったっけと言いたくなる。
清里を経由し八ヶ岳高原ラインへ。目的地の立場川キャンプ場到着。久しぶりのテント設営だったが問題もなく終了。することもなくボーッとする。川の流れる音が心地よい。午後になって買い出しへ。夜食はステーキ、チゲ鍋。メインディッシュは「たき火」。
二日目
今日の目的は「チェリーパークライン」。メルヘン街道から佐久へ出て、小諸を通っていくのが順序だが、その後嬬恋へ降りてからの帰りに難儀しそう。思い切って長野まで出て、志賀草津道路へ行こうなどと考える。
まー無謀だったね。
頭の中の地図では長野なんてすぐそこという感じだったが、滅茶苦茶遠かった。本物の地図を見返すと日本海(上越)まですぐそこ。長野ってこんなに遠いのか、というか諏訪、松本の方が長野県の本体だろ!と言いたい。
2時間近くかけて滋賀草津道路へ。それでも着いてしまえば全国有数のツーリングスポット。何度目かの走りで改めて思ったが、日本で三本の指に入る・・・のは言い過ぎだが、それくらい走りやすく風光明媚な道が続いて楽しい。渋峠から白根山あたりの景色は雄大の一言。会津磐梯スカイラインがここと双璧。北海道、九州(やまなみハイウェイ)には残念ながら負けるか。
白根山を過ぎて「万座ハイウェイ」には行かず、そのまま草津方面へ降りて「つまごいパノラマライン」。キャベツ畑の広がる景色。もう二度と来れないと思っていた景色を再び見る。あとは浅間山を登れば目的地「チェリーパークライン」だ。
そこで事故が発生する!
国道144号から小諸方面、チェリーパークラインへつながる道を進む。左右にキャベツ畑と土まみれの道は農道なのかなという感じ。しばらく走って畑がなくなったあたりで、それまでの舗装路が未舗装に変わった。え!?という感じ。まさかダートコースだとは知らなかった。すぐわきには「ここから6km未舗装区間」という立て札。
深さはそれほどでもないが、かなり砂利の多いダートで、キャンプ道具を積載して重心の高くなっているCBでは走りにくい。余りある馬力も、ここでは怖いだけだ。平坦であればと思うが、凸凹しているし山道なのでカーブもある。ヒヤヒヤしながらの行軍。この先に目的地があるということで「引き返す」という選択肢はなかった。
そこへ対向車接近。せまい道なので止まる相手。これを避けて進むことになる。低速になったこと、丁度曲がり路にあたり路肩方向へ道が傾斜していたこと、滑る砂利道と扱いにくい大馬力が合わさって、自分のライディングテックニックではクリアできなかった。ぶっちゃけ恐怖心が勝り過ぎた。びびっていたんだな。結局みじめに立ちごけた。
傾斜地、ずるずる滑る砂利道、踏ん張りの利かないライディングシューズ。悪条件が重なって、超重量のCB1300を一人では起こすことができなかった。寂しい山道で絶望しかなかった。無様だった。
何度も頑張ったが一人ではどうしても持ち上がらず、たまたま通りかかった人たちのお陰で復帰。しかも一度起こした車体を再び倒すという体たらくまで体験した。
結局目的の「チェリーパークライン」を目指すことは諦めた。この先つづら折れが連続するが、そこを上がっていけるほどの自信がなくなっていたからだ。敗北感とともに来た道を引き返し、軽井沢を通って帰ることにした。
軽井沢にて上信越道へ。関越「藤岡JCT」から「鶴ヶ島」までずっと渋滞。このくそ暑さとCBから出る地獄の排熱を喰らっては熱中症になること必至。危険だし迷惑と思いつつもすり抜けを駆使して脱出した。
今回の立ちごけは精神的ダメージが大きい。ここ最近思っているのが、CB1300という重く足つきの悪い大排気量バイクを乗りこなすための体力が、年々落ちて行っているということ。前は楽しく頼もしかったCBに乗り出すのが苦痛に感じることすらある。
スマホマウントを刷新したり、足つきを良くするためのローシートを買ったりして気分を変えてきたが、今回の立ちごけと引き起こしをできなかった屈辱は、CBから降りるきっかけとなるかも知れない。
今回の走行距離。一日目300km、478km。合計778km。