2019年9月14日土曜日

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

 タランティーノによる新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を見て来た。この作品はあまり良く知らなかったが、岡田斗司夫の動画で公開を知り、ネタバレされないうちに観に行こうと思った次第。よって前情報を全く仕入れず鑑賞。
 レイトショーの開場20分前に映画館着。チケットを取ったら座席予約0名。貸し切りか?なんて思いつつ上映を待っていると、ちらほらとお客さんが入って来た。

 主演ブラッド・ピット、レオナルド・ディカプリオという、最近タランティーノ映画の常連俳優によるもの。60年代のハリウッドを背景に、かつてのテレビスター(ディカプリオ)とそのスタントマン(ブラピ)を狂言回しとしたノスタルジックなストーリー。
 第三の主人公としてポランスキーの妻シャロンテートをピックアップ。観客は後に起こる悲劇を頭の片隅に置きつつ物語を見るので、序盤のチャールズ・マンソンらしき人物の登場や、中盤で起きるヒッピー村への訪問時など、最後はどうなるのだろうかという緊張を覚える。

 かつてのスターが落ちぶれる悲哀もディカプリオの演技が素晴らしく、対してブラッドピットの物語は今一つ。ブラッドピット自身がそうなのか、脚本の関係で仕方ないのか、マッチョでナルシストなストーリーは鼻白む。

 最後はイングロリアス・バスターズのようなお伽噺的結末。
 時系列に従った状況説明で緊張感を高めるも、マンソンファミリーの襲撃先はポランスキー宅ではなく隣の主人公宅となる。お約束のように犯人一味はブラピとディカプリオによって返り討ちに合う。しかもかなりひどい殺され方で。特に火炎放射器の再登場にはニヤリとさせられる。
 ラスト、現実では惨殺されるシャロン・テートは声だけの存在で姿を現さない。その女神のような存在感は彼女に対する慕情と鎮魂か。

0 件のコメント:

コメントを投稿