2021年6月30日水曜日

死の恋人ニーナ

 レンタル後とりあえずリッピングして放置。いつ借りたか何故借りたか思い出せず。地味なタイトル名、DVDメニューに出てくる裸の女性の容姿から昔のエロティックホラーかと思ったが、調べると5年ほど前と比較的最近の映画だった。

ストーリー
 交通事故で彼女(ニーナ)を失った男(ロブ)。彼の暗い影に憧れて近づいていく女(ホリー)。積極的なホリーにいつしかロブは魅かれ、ついに愛を確かめようとした時、死んだニーナが現れ二人の邪魔をする。


 優柔不断なロブと年上女房でこれを支配しているニーナ。二人の過去に振り回され自分へと目を向けさせることのできないホリーという三角関係。ニーナが死者であるということが問題をさらに複雑なものにしているという不条理さ。
 死んだニーナは悪魔が召喚されるかのような登場の仕方で、全身は傷だらけで体も変な方向に曲がっている。そんなニーナが憎まれ口を叩いて事に及んでいる二人に嫌味を言い続けるというのはシュール。筒井康隆の小説に出てきそうな感じ。
 最後の落ちは物語を終わらせるためにつくった感じで不要だったと思う。

 ニーナの存在が面白い。ロブの態度が定まらずイラっとさせられるが、結構こういう男がモテたりするみたいね。

2021年6月20日日曜日

ゼノブレイドDE つながる未来

 本編クリア後、長い間放置してきたゼノブレイドDEの追加ストーリー「つながる未来」をクリアした。割と短いシナリオで三日間程度でクリアしてしまった。

 放置して理由はメリアが主人公ということ。ネットの感想を見ればメリアファンの多さがわかるが、個人的にはフィオルン派。悲しい処遇とストーリーが気に入っていた為。追加ストーリーとしては彼女が生身の体を取り戻すあたりを見たかった。またせっかく育てたメンバーが切り捨てられてしまったのも残念。

 ストーリー的にもはまれず。選民志向であるハイエンターの民にシンパシーは感じえず、その故郷を取り戻すという展開には熱くなれない。途中で現れるテトやタルコに至っては誰それ?という感じ。
 またとってつけたように現れた謎の亀裂と霧の王というラスボスだが、倒してもその存在理由が説明なされない。オリジナルのWii版発売後、ゼノブレイドクロス、ゼノブレイド2が発売された後だというのに、世界のつながりを示すことがなかったのは肩透かし。エンディングではいよいよメリアの戴冠式が行われるが予定調和にしか思えず、求めているのはこれじゃないんだよなぁ感。「つながる」未来というのは他の世界と「つながる」という意味ではなかったのね。

 恐らくゼノブレイドのリマスターをするにあたって追加されただけで、新たな練り込みはなかったのだろう。舞台である「巨神肩」も偶然残っていたデーターを元に作ったという話しだし。
 新ネタは正規の続編であろうゼノブレイド3もしくはクロス2まで待てと言うことか。

須走口~大菩薩ライン~山梨県道18号線

 梅雨の合間と休みが久しぶりに合わさったのでツーリングに出掛けた。先日行きそびれた雁坂みち~秩父方面へ行こうかと思ったが、雨上がりの雁坂トンネルはちと怖い。どうしようかなと考えながら国道246号線を御殿場方面へ進んでいくと、出発時は雲に隠れてまったく見えなかった富士山だったが、ちらちらと雲が消えてきて姿をあらわした。うまくタイミングがあえば雲海の広がる風景が見れると思い、須走口へと進んだ。

 最悪・・・。
 まったくタイミングが合わなかった。せめてあと1時間ほど早く出てきていればという所。正直小山に辿り着いた辺りで須走五合目辺りに雲が密集し始めているのが見えたので、こりゃだめだろうとは思っていた。日が昇って裾野の雲が晴れたのは良かったが、蒸発した雲が五合目あたりに集まってしまった。また今度来よう・・・。

 須走口を降りて御坂みち~大菩薩ラインへ。ここはいつもの定番コース。今日も奥多摩周遊道路を往復して国道139号線を大月方面に戻ろうかなんて考えたが、たまには違う道を行くことに。道の駅「たばやま」から小菅村を通って山梨県道18号線を通るコースへ。奥多摩修道路を通らずに反対側へ出るルートだ。
 そのまま県道を渡り歩いて上野原~道志ダム~道志みち~県道64号線で伊勢原へ。何時も通るルートに比べると狭くて路面の悪い道が多いものの交通量が全くないのが良い所。走っていて楽しい道という訳でもないが、たまには違う道を行くのもいいよね。

2021年6月15日火曜日

悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲

  悪魔城ドラキュラの2Dアクションシリーズを一通りクリアして、以降の続編はやらないつもりだったが、どうしても引っ掛かるものがあって「月下の幻想曲」をプレイした。プレイハードは Playstation3 のゲームアーカイブス。


 このゲームは2D探索アクションと言われるタイプで、先日まで遊んでいたシリーズとは系統が異なる。ゼルダの伝説やメトロイドのように、能力が増えることで探索範囲が広がっていくのが肝となっており、プレイヤーキャラクターが成長していくのが楽しい。
 反面どこへ行っていいのかわからなくなるという欠点があるが、今作は割と難易度が低めで、さほど迷うことなくクリアできた。初心者お断りのハードな悪魔城シリーズに比べるとぬるくはあるものの間口が広い感じ。
 ストーリー的にも前作主人公でありベルモンド家のリヒターが表のボスとなっているのも面白い。昔「悪魔城ドラキュラHoD」というマルチプレイ版ドラキュラにハマったが、元ネタはここだったんだなというようなフロアがあって新たな発見だった。

2021年6月13日日曜日

谷山浩子と栗コーダーカルテット 2021/6/12 東京文化会館

  一年半ぶりに谷山浩子のコンサートへ行ってきた。昨年はコロナウィルスによる自粛要請でコンサートは軒並み中止。さらに秋口になると浩子さんにガンが発見され活動をしばらく自粛していた。
 浩子さんは Youtube にて活動を再開したもののコロナウィルスは治まらず、このまま今年もコンサートはやらないのかと思っていたが、春になってコンサートの開催と抽選予約の案内メールが届いた。
 「放課後の音楽室」は初めて行った浩子さんのコンサートで、ゲストを呼んで一緒に演奏をするという形式。チケットの半券を利用したリクエストコーナーもないし、見知らぬゲストの音楽を聴いてもなぁという気持ちもあったが、復帰初のコンサートでもあるしチケットを購入することにした。
 いつも通り全席抽選式。先行予約に応募できたこともあり無事チケット確保。コロナによる緊急事態宣言は解除されぬまま、6月12日東京文化会館にてコンサートが開かれた。

 当日、床屋で散髪してからロマンスカーにて上京。お昼前に新宿に到着。東京へ出るのも久しぶりではあるが、特に行きたい場所、見たい場所があるわけでもなく、まあぶらりとしようかと無計画。せっかくなので新宿から文化会館のある上野までのんびり歩いて行くことにした。歩きで10kmほどの距離。3時間ほどあれば着くか。
 梅雨入り前の6月は日差しも強く、真夏のような暑さ。家を出る時は薄手のコートを羽織ってきたものの、新宿通りを歩いている内に汗ばんできて脱いでしまった。通り過ぎるバス広告にあった「ゴジラストア」の文字が気になり、せっかくだからと立ち寄ったものの、デパートの一角にこじんまりと設営されているだけで、また売っているグッズもよくあるTシャツやタオルといったアパレル関連とちゃっちいおもちゃの類い。バス広告で宣伝するほどのものか?と思ってしまった。

 ゴジラストアを出て四谷を目指す。道中手持無沙汰でもあるのでウォークマンでも聴こうかとポケットを探ると・・・ない。コートを畳んだ時に落としそうだからとポケットのベルクロをしっかり止めたはずなのに。ちょっと信じられなくて幾度も探したが見つからず。これまで幾度となく失くしそうになってきたものの、奇跡的に失くさずにきたウォークマンだったが、ついにお別れとなった。
 独自の音楽形式で囲い込みをしようとするくせに、基本ソフトが使いにくく、さらに頻繁に更新されるというソニーのやり方には不満を持っていて、そろそろ音楽管理を替えようかと思っていた矢先でそれほどショックはない。スマホ全盛期となった今、音楽を聴くためだけにウォークマンを持つというのもナンセンスだし・・・なんて自分を言い聞かせることにした。いい機会であることは確かだ。

 新宿通りを四ツ谷まで出る。四谷三丁目にあった「"天然"たい焼き」とは一体?
 新宿通りから四ツ谷駅を越えて左折。靖国通りへ。市ヶ谷を過ぎ靖国神社を見送って九段へ。武道館を右手に見ながら坂を降りていき神保町へ。
 神保町の古本街にて店頭に並ぶ古本を物色する。楽しい。いまや amazon で古本も指名買いが出来るようになり、こうした古本屋散策という機会が減って久しい。郊外にある Book-off では品揃えが画一的で、これといった本に出会えないが、やっぱり神保町にある古本屋は一味違った品揃えで棚に並んだ本を見ているだけでも楽しくなる。
 欲しい本は一杯あったが荷物になるので買い切れず。「大山康晴の晩節(著 河口俊彦)」「マネーボール(著 マイケル=ルイス)」「ひとりぼっちを笑うな(著 蛭子能収)」「世界の日本人ジョーク集(著 早坂隆)」の四冊を購入。今度は古本を買うためだけに足を運びたい。

 小川町から中央通りに左折。秋葉原へ。神保町の古本と違い秋葉原では掘り出し物が見つからない。リバティや駿河屋といった昔であれば興味を惹かれた店も、店内で売っているものはキャラクターフィギュアばかりで店内に入る気もしない。現代ではネットによる通販が便利になり過ぎて、街中を歩き回って掘り出し物の中古PCを探す必要もなく、また探したところで値段はネット価格と変わらないだろう。こうして秋葉原の怪しい店を練り歩く理由がなくなってしまった。便利にはなったが寂しい限り。

 電気街を過ぎて御徒町のアメ横へ。魚と衣料品とお菓子のお店が並ぶ。並べられた品々を見るがあまり安いと思えない。アメ横に来た理由は老舗のミリタリー店「中田商店」で衣料品が見たかった。店内狭しと並べられた衣服だったが、本気で買おうと思っていないので心に響かず、ああこんなものもあるのね程度になってしまった。秋口であればM65フィールドジャケットを購入したかったのだが。代わりに店頭にて1800円と手ごろなブッシュハットがあったのでこれでも買おうと思ったものの、店内にもう少し高いハットが展示されており、買ってからコレジャナイ感を味わうのが嫌で、結局何も買わずに店を出た。
 かわりに神保町で買った本が邪魔だったので、かばん屋に吊るされていた安いショルダーバッグを購入する。リュックサックは大きいし背負うと暑い。かと言ってハンドバッグは手に持っていると邪魔だしで他にいいものはないかと思っていた。小さめのショルダーバックは使い勝手が良さそうで、城巡りなどの旅行にも便利だろう。

 15:00ごろ上野に到着。新宿からぶらぶらと歩いてきた割には結構早くついた。喫煙所を探して少し迷う。上野公園前交番では警察が三人立哨している。何をしているのだろうと思っていたら、どうやら信号無視の車を張っていたらしい。信号の位置が悪いのか見ている前から一台捕まっていた。
 喫茶店で時間を潰そうとしたもののルノワールは満席。仕方ないので上野公園のベンチで先ほど買った本を読みながら時間を潰した。公園は割と人が出ていて、緊急事態宣言がまったく効果を発揮していない。開場時間にあわせて文化会館を目指した。

 17:00開場。席が思っていたよりステージに近くてラッキー。全席抽選なれど正面の特等席はファンクラブが優先しているのだろうな。いつも通り初老ばかりの会場は満席となった。コロナウィルスへの配慮とかないのね。隣の席のお客が独り言をぶつぶつ言ったりする人でウザイ。
 予定通り17:45開演となり、浩子さん栗コーダーカルテットさんが登場した。体力的な問題かのどの調子が悪いのか、コンサートは完全二部構成となり、最初の部では浩子さんは引っ込んでしまい、栗コーダーカルテットのみの演奏となった。知らない曲ばかりであまり面白くない。会場を見回してもいまいち乗り切れていないように感じた。
 いったん休憩を挟み、第二部は浩子さんも出てきての演奏となる。覚えていない最近の曲と昔の曲とが半々くらいの構成。毎回こんな感じの曲構成からして、これはわざとなんだろうな。やっぱり浩子さんは久しぶりのコンサートというともあり、年齢的なこともあり?発声がいまいちな感じがしてしまう。若かりし日のオールナイトニッポンにおける生歌はレコードと遜色なかったものだが。

 01 ピタゴラスイッチ オープニングテーマ
 02 マヨネーズ第二番
 03 サウスポー
 04 しっぽのきもち
 05 ボンネットバス
 06 羊どろぼう
 07 青空節
 08 帰り道
 09 テルーの唄
 10 川口くんおすすめトラッド1&2
 11 うれしい知らせ

 なんかね。高音担当のリコーダーがうるさいというか、男性が女性の声で歌っていると感じてしまうというか。それが出てこない楽曲は普通に聞けた。それにしてもサウスポーという選曲はどうなのよと思ってしまうし、浩子さんのレパートリーからテルーの唄を選ぶというのも一般人向けという側面が見透けてしまう。

 12 わたしじゃない月のわたし
 13 マギー
 14 朝ごはん
 15 ウミガメスープ
 16 向こう側の王国
 17 きれいな石の恋人
 18 恋するニワトリ
 19 ネムルル
 20 さよならのかわりに

 アルバム「しまうま」以降の曲はあまり乗れない。いい曲もあるのはわかっているけれど、それまでの浩子さんと曲調が変わってしまった気がする。結婚したからだろうか。自分が社会に出たからだろうか。なのでコンサートでは半分程度しか楽しめない。
 浩子さんが電子ピアノを弾く弾かないで盛り上がる。プロレス?
 仕方ないとはいえ声量は不足し高音が伸びない。若かりし頃自分は発声が弱く、自分で歌うより楽曲を提供する側でいたいと言っていたが、「風になれ」などを聞く限り美しい歌声なのにと思っていた。でも今にして思うとその言葉はあながち謙遜でもなかったのだろう。

 En 花さかニャンコ

 ここ最近の一押し曲なのだろうが、個人的には好きじゃない。浩子さんは芸歴も長いし楽曲も多岐にわたるから好き嫌いがでるのは仕方ないと思う。

 20:15頃閉演。外は当たり前だが真っ暗。自粛要請のため飲食店は軒並み閉店。そのまま夜の町を歩きたい気持ちもあったが帰ることにした。電車で帰る人並み。車窓から見える人々の姿。昔は自分もこの人並みの中にいて、大東京の中でそれこそ粒子のような存在なれど必死に食らいついていたのだと感傷に浸る。後悔もあり失ったものもある。でも得たものもあるのだからと思い返す。