自分が高校生くらいのころゲームブックという本が何冊も発行された。ゲームブックとはストーリーを読むだけでなく、行動を選択して指定されたページに移動。選択に応じたストーリーが展開するという本をつかったアドベンチャーゲームのようなもの。
「火吹き山の魔法使い」はそんなゲームブックのはしり。当時はアドベンチャーゲームやファンタジーを好んでいたので表紙の絵に魅せられつつ購入。何度もゲームオーバーになりながら遊んだ記憶がある。
そんな「火吹き山の魔法使い」がコンピューターゲームとなった。とても興味深かったが、残念ながら日本語対応しておらず。状況が文章で説明されるゲームなので、英文では読むことが出来ず遊べない。残念だと思っていたら、しばらくしてNintendo Switchで日本語版が発売された。
遊んでみるといろいろ問題のあるゲームで、他のレビュアーが総じてコメントしている通り、ロード時間がとても長い。ゲーム開始まで時間が掛かるだけでなく、ゲームを開始した後も何度か長めのロードが発生。ロード中、画面下にロードマークが表示されるものの、アニメーション処理がされないため、ハングアップしたのではと思ってしまう。
二つ目の問題は戦闘モードが難しいこと。原作本ではダイスを振るだけだったが、コンピューター版は駒を動かして攻撃しあうというTRPG風のシステムに。メタルフィギュア風の駒が表示されなかなか雰囲気がいいが、実際遊んでみるとテンポが悪くて楽しくない。さらに敵が複数体現れるとかなり不利で、難易度が急に上がり面白くない。
文章が読みにくいとか、翻訳が間違っているとかは些細な事であまり気にならず。原作と同じ味のある挿絵が使われ、ダンジョンの作りも原作通り。こういったあたりは昔を懐かしんで遊ぶプレイヤーには好評だと思った。
かくて購入時は懐かしい雰囲気だけ味わったがのめり込めず放置していたが、今回ふと思い立って久しぶりにプレイ再開。マッピングをしながらクラシックモードを何度か遊ぶ。
やっぱり戦闘モードが面倒で繰り返しプレイを楽しむまでにいたらず。結局フリーリードモードという戦闘をとばせるモードでエンディングに辿り着いた。
遊び終わって思ったのは、やはり雰囲気の再現においては良く出来たゲームということ。特に原作の名場面が再現されていることや、独特の文章は懐かしい。またメタルフィギュアによるジオラマのようなマップも古風なTRPGを思い出させてくれる。
残念なのは新たに加えられた戦闘モードで、テンポの悪さと難易度の高さで繰り返しプレイの障壁となってしまっている。フリーリードモードという救済処置が最初から入っていることが救いだろう。
まあこれは原作本もクリアできなければ、判定をすべて成功したことにして次のページに進んだり、バッドエンドに見舞われた時は元のページに戻って再開したりしていたわけで、そうしたゆるい楽しみ方もできるのは素晴らしい。
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