11月末の連休を利用して宿泊ツーリングに出掛けた。今回の訪問先は滋賀県琵琶湖。滋賀近江は京への玄関口であり、東海道、中山道、北陸道が合流する交通の要衝。安土城をはじめ日本100名城が4城と固まっている要衝の地。それゆえに通り過ぎるだけできちんと訪問した記憶がなかった。
【初日】
ナビによれば琵琶湖まで5時間弱の道のり。9時には現地入りしたいので、休憩を考慮すれば4時前に家を出たい所。前日は早く就寝についたところ、2時30分に起床。準備はすませてあったのですぐに着替えて出発。
03:15 出発
道程はオーソドックスに。東名高速大井松田ICから御殿場JCTにて新東名へ。以下、名神高速、北陸道を乗り継いで小谷城ICを目指す。
大井松田ICに入ってすぐに渋滞。東名集中工事のため大井松田~御殿場間の左ルートが通行止めになっているが、こんな時間でも渋滞かよとショック。なんと一台のワンボックスが路上で反対向きに停止しており、道を塞いでいたのが原因。すぐに渋滞は解消されてほっと一息。
5:00頃浜松SAにて休憩と給油。小牧と尾張一宮の渋滞は発生無し。7:30頃養老SAにて二度目の休憩。予定より早く8時過ぎには現地入りかと思いきや、養老SAを出てすぐ渋滞発生。大井松田の渋滞と違ってまったく進まず。さらに緊急車両がサイレンを鳴らして路肩を走り抜ける。嫌な予感しかしない。
案の定事故。関ケ原IC手前でトラックと乗用車の衝突。かなりの勢いでぶつかったらしく、乗用車のフロント部分は大破していた。
09:00 ①小谷城
アクシデントに見舞われつつ小谷城ICに到着。ICからすぐの小谷城戦国歴史資料館へ。館内へは入らずスタンプのみゲット。本丸跡近くまで車であがれるそうなので行ってみれば、夜間通行止めの表札が掛けられたままゲートが閉じていた。
麓から見上げる小谷城址は小さな丘に立地しているようだった。地図を見ると稜線に沿って縄張りが拵えてあり、以前訪問した金山城のような感じ。熊が出るシーズンでもあるし、時間もそれほどないので登城は諦める。
小谷城を後にし琵琶湖へ。起点の目印は湖北水鳥公園。道中広い田んぼと小さな山が。昔はここも湖だったのかな。小高く形の良い山は何て名前なのだろうと思ったら「山本山」だった。あの山本山の語源?
ついに到着した琵琶湖。思ってた以上に広く海の様。風が強いためか湖面には波がうねり、港もあるせいで余計海のように見える。対岸に山が見えるが湖畔の風景と言うより、瀬戸内海のような趣。
湖畔道路を走り、次の目的地である彦根城を目指す。
10:45 ②彦根城
現存天守。徳川四天王井伊家の領地。現在では「ひこにゃん」で有名。
高く堅牢な石垣に囲まれた平山城で、交通の要衝にして徳川家の領地である東海、関東への進撃を食い止めるための要。城内を歩けば各所に防衛を考えた趣向が凝らされ、有事を想定されて作られたお城と分かる。
天守は小ぶりな感じで、山の上にぽつんと建っているあたりが宇和島城を思い出させる。そういえば何故か井伊家の彦根城なのに、藤堂家と勘違いしていた(宇和島城は藤堂)。
次の目的地は安土城。さざなみ街道ではライダーとすれ違い始めた。京都・大阪方面から北上するルートなのかなあ。
12:45 ③安土城、観音寺城
湖畔から離れ、だだっぴろい農場を通り過ぎる。まるで北海道のよう。後で知ったがここは琵琶湖を干拓して出来たそうだ。結果、琵琶湖に面していた安土城はいまや陸に取り残されてしまっている。
安土城。天下布武を旗印とした織田信長最期の根拠地。初の天守を備えた幻の城。自分は信長が好きなので、このお城がこの旅で一番興味深かった。
小谷城同様、山間部を利用して建てられた山城。長い石段を上がっていくのは一苦労。ネットの情報では登りやすいなんて書いてあったが大嘘。かなりの段差で作られているので結構きつい。
信長の当時の勢いを反映し、趣向を凝らして築城されたものの、たった六年で出火消失。後に廃城。その割に石垣などが残っているのは信長の廟を祀るお寺があったからか。天守跡の礎石を眺めながらかつてあった天守に思いを馳せる。
次は観音寺城。安土城のすぐ隣…なのだが、さすがに山城二連発を登る気力なし。ちょっとズルをして安土駅そばにある安土城郭資料館にてスタンプゲット。城のあったきぬがさ山をながめて去る。
いやぁ、最近だいぶ日が短くなってるから、ここ登ってたら下山するころには真っ暗になっちゃうからね…なんて言い訳。お城ファンじゃなくて、ツーリングの行き先を決めるきっかけとしてスタンプを集めてるだけだから…。
15:45 ④琵琶湖大橋
かくて日本100名城めぐりが終わり、近江八幡を通り過ぎて再びさざなみ街道へ。陽も暮れだす頃、琵琶湖大橋を通り過ぎる。本日の宿泊地草津はもうすぐ。
16:45 ⑤草津
本日の宿泊は東横イン。GoToトラベル利用で宿泊料が4千円と格安だったのが決め手。しかし大浴場がないのが残念。調べればすぐそばのイオンモール草津に「草津湯元水春」というスーパー銭湯が併設されている。夜食の買い足しついでに立ち寄る。
「これが有名な草津の湯か~。なんか独特の肌触りと匂いがするな~」なんて思いつつドリフターズの「♪ババンバ、バンバンバン」と歌ってみるとどうも歌詞と合わない。「♪ここは上州、草津の湯」…上州?調べてみれば草津違いでした…。
18:00 宿泊 東横イン南草津
かくして一日目終了。走行距離484.6km。自宅から小谷城まで366kmなので、琵琶湖での走行距離は120km程度。お城巡りメインだったからね。
【二日目】
08:30 出発
今日はお城巡りの予定なし。ツーリング三昧の予定。まずは琵琶湖へ。
静かな湖面と紅葉が美しい。そのまま下って瀬田へ。琵琶湖南端を瀬田唐橋を渡って西岸へ。大津方面へ北上する。
大干拓地だった東岸と違い、商業施設が立ち並んでいてかなり趣が異なる感じ。ここはもしやと思えばやっぱりの時間で中央線が変わる道もあったり、交通量も激しいようだ。
しばらく走って山間部へ。比叡山を目指す。
09:20 ⑥比叡山
比叡山といえば延暦寺が有名だが、お寺巡りはしていないのでパス。しかし比叡山山頂へのワインディングが楽しそうだったので立ち寄ることにした。通行料は結構高くて山頂への往復で千円超え。延暦寺を訪問すれば拝観料も当然とられる訳で、まさに坊主丸儲け。信長が焼き払ったのも分かる気がした。
途中夢見が丘という展望台に立ち寄る。紅葉の盛り。
予定ではこのまま奥比叡山ドライブウェイを走り抜けるつもりだったが、日祝日は二輪が通行できないということで引き返すことに。
予定変更の分を取り戻そうとバイパスを使用。これが悪手だった。坂本北ICから車線減少のためか大渋滞。ちびちびとしか進まない。のんびりタバコを吸ったり、音楽をかけたりしたが諦め、すり抜けすることにした。
その後は順調に進み近江舞子でバイパスを降り、ふたたび琵琶湖畔へ。
11:30 ⑦道の駅あどがわ
白髭神社そばで何度目かの渋滞にはまる。やっぱり紅葉シーズンの連休だし、天気も良いしで致し方ない。関東で言えば都心との距離的にも箱根富士あたりと同じようなロケーションなんだろうな。湖面に鳥居が建ち、安芸の厳島神社のようだ。
神社を越えると渋滞も落ち着く。道の駅あどがわへ立ち寄り、三度湖畔道路へ。しばらく湖畔沿いを進むと観光スポットとしてお勧めに挙がっていたマキノ高原への看板が出てくる。最初は立ち寄ろうかと思っていたが、ただの並木道だしなぁとスルー。
湖畔道路を走り続け、お昼過ぎ海津大崎に到着。
琵琶湖は広いためか場所によって趣きが変わる。荒々しかった長浜水鳥公園、穏やかな朝日に照らされた紅葉の美しい草津、賑やかでリゾートのような大津、夏の浜辺を思い出させた近江舞子。そして海津大崎から見る琵琶湖は秘境から見る風景のようだ。静かに波音が聞こえ心安らぐ。
13:00 ⑧奥琵琶湖パークウェイ
海津大崎からは渋滞と無縁のひっそりとした湖畔道を岬に沿って進む。旅の最期に奥琵琶湖パークウェイを通り、岬の展望台から琵琶湖全景を眺める。
岬の山頂から見る琵琶湖は長浜と奥に見える米原、伊吹山に囲まれる感じでその大きさを感じさせない。昨日来たときは風が強かったためか荒々しい波が立っていたが、今日は嘘のように静かだ。
その広さからいろんな顔を見せる巨大湖琵琶湖。今回はお城巡りなどしながら二日に掛けて一周したが、今度来る機会があれば一日で回り切って、その広さ雄大さを感じてみたい。その時はまた違った顔が見れるのではないだろうか。
14:00 木ノ本IC
奥琵琶湖パークウェイから賤ケ岳トンネルを抜けて木ノ本ICへ。帰りは同じルートを逆方向に帰る。行きと同じなら19時頃に帰宅できるはずだが。二日目琵琶湖西岸の走行距離は145km。比叡山に上ったので昨日より少しだけ距離が伸びた。
21:00 帰宅
帰りの道中、道路情報によればオールグリーン。連休にしては珍しく事故も渋滞もないなと思っていたが、まあそんなにうまくはいかないよね。
15時ころ小牧付近を走行中、たまたま通った道路案内板が急に赤ランプ点灯。「事故発生、通行止め」。ビビる。東名高速の清水JCTから富士川ICまで上下線が通行止めとなった。後で調べると中央分離帯に車が突っ込んだとのことで、規制内容からよっぽどひどい事故だったのかと思いきや、けが人なしだった。
まあ自分は新東名で帰るし、三車線区間が広がったので渋滞もなかろうとたかを括っていれば、掛川付近でまさかの雨。事故渋滞情報にかまけていて天気を心配していなかったわ。運よくすぐに止んだが、大井松田から御殿場間でいつもの渋滞発生。もちろん箱根方面も大渋滞。もう急いで帰るのは諦めよう。
結局今回も御殿場IC下車から足柄峠越え。道中のんびりしたこともあり、結局帰宅したのは21時となった。連休中は必ず事故が発生するな。まあ当事者にならないことだけは心掛けないと
二日目の走行距離は523.6km。琵琶湖ツーリング総走行距離1,008.2km。内、琵琶湖ツーリング距離が265km。ほとんど高速道路ツーリングって感じの慌ただしいスケジュールになってしまったなあ。