2023年3月18日土曜日

フェイブルマン

  スピルバーグの最新作「フェイブルマン」を観て来た。自伝的作品の良作だった。

 千葉・房総へツーリングへ出掛けた中日。天気予報ではお昼頃から夕方まで雷を伴う荒れた雨模様とのこと。雨具は用意してあるが、何度も走った道でもあり、また目的地・宿泊地が決定しているわけでもないので、無理して走る気になれない。
 そこで健康ランドで半日時間を潰そうかと考えルートを設定すると、道中に映画館を発見。話題の「スラムダンク」でも観ようかと上映スケジュールを検索するが、残念ながら夕方以降しか上映されないようだ。
 残念と思いつつ他の映画を探したところ、スピルバーグの最新作である本作を見つける。そういえばYoutubeで配信している映画評論チャンネル「Black Hole」で、この作品の上映を記念してスピルバーグ特集をやっていたな、なんて思い出す。
 こんな感じで鑑賞を決めたため、作品内容も知らないし、特段思い入れがあって観に行ったわけでもなかった。

 作品は「フェイルマン」というユダヤ系の主人公が、幼少期に観た映画の特撮に魅せられ、映画作りに没入していき、映画を撮る感動や心が引き裂かれる思いというエピソードを軸にストーリーが進む。
 また洋題は「Fablemans(フェイブルマン一家)」となっているように、主人公をとりまく家族の物語でもあり、特に両親との確執。自由奔放な母親とそれを見守る父の悲劇的なストーリーが、演者の素晴らしい演技、表情で語られる。
 多くのエピソードがスピルバーグ監督の体験談を元にした自伝的作品となっていて、自らの映画への思いを投影している。

 けれんみの無い素朴な作品だが、役者の演技がとても良い。特に表情が良く、登場人物の心象を雄弁に物語り、お話しに実感を与えている。素晴らしい作品だった。

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