二日目
セレクトイン津山で朝食バイキングを食べ、ごろごろしていたら予定時刻より出発が遅れてしまった。今日も割ときつめのスケジュールなのだが。
09:00 津山城
城下にある観光センターにバイクを停めお城へ。城内へ入るには有料の入口を通らねばならず、早目に来ても中へは入れなかったようだ。女子高生がチケット売り場で手伝いをしており、何かと思えば津山牛のイベントと、地元高校の吹奏楽部による演奏が行われるようだった。
津山城は石垣しか残っていないが、残された写真によれば勇壮な城構えだったようだ。確かに幾層も連なる立派で高い石垣で縄張りが構築され、多くの櫓を越えていかなければ城内に辿り着けないという難攻不落のお城だった。
そうは言っても時間もないし、ささっとスタンプだけ押して帰ろうと思ったが、結局本丸まで行かざるを得ず、しかもスタンプを押すには靴を脱いで備中櫓に入らなければならないというのは苦痛以外の何ものでもない。たかが再建櫓に何を有難がれと言うのか。
10:40 神庭(かんば)の滝
津山城では思いの外時間を取ってしまった。国道181号線を走って神庭の滝を目指す。道中「旭川」の辺りはとても気持ち良くてバイクツーリング最高!という気分になる。時間を巻くため、神庭の滝を見送ろうかとも思ったが、大きめの看板で「神庭の滝」という案内が出てきたのでやっぱり行こうとなった。
神庭の滝は中国地方で一番大きな滝とのこと。そうは言ってもさびれるだろうと思いきや、駐車場には複数名のガードマンもしっかりいて案内。きちんとしていた。
駐車場から滝までは10分程度歩かねばならない。この辺りになるともう開き直っていて、のんびりじっくり楽しもうという感じ。滝のそばに猿が出るようだが、今日はいないようだ。
滝への道中、石灰岩がむき出しとなった荒々しい沢の感じが秘境じみていて良い。苔むした岩を幾筋もの水が滴っているのを「玉垂の滝」なんて称していて、これが滝かよ!なんてツッコみつつ、滝の定義とは何ぞやと考え込んでしまった。
神庭の滝へ到着。落差のある大きな滝ながら、華厳の滝や那智の滝のような雄大な感じはない。幾つかの石壁を打ちながら流れ落ちていることと、滝壺が見えないからか。
それでも何も知らずに森の中の沢を歩いて行って、その先にこんな滝を見つけたら神秘的だったろうな。
12:00 蒜山(ひるぜん)高原
国道313号線を北上。蒜山を目指す。蒜山は昨秋の出雲ツーリング時、大山から赤穂へと高速ドライブしている時に見掛けた山だった。大山同様ツーリングのメッカ。いつか来ようと思っていたが、まさかこんな早く来ることになるとは。
国道313号線から482号線へ入れば風景は一変。雄大な景色の広がる蒜山高原に到着。蒜山高原線から蒜山大山スカイラインへと走り抜け、鬼女台(きめんだい)展望休憩所へ。
道中はバイク旅の楽しさを満喫。自然との一体感。オートバイとの一体感。
自然との一体感。暑さも寒さも、雨も風もすべてをリアルに体感する。自然を体で感じる。夜の闇の深さや、森の空気の濃さ、晴天と海の解放感。
オートバイとの一体感。体全体を使わなければ走れない。余計なことを考えている暇はない。何かあれば事故に、事故になれば体へ直接ダメージを受けるリスク。だからこそ集中して乗車する。集中しているから楽しい。
多くのオートバイ仲間とすれ違う。展望台を後にするとき誓う。また来るよ!
14:30 井倉狭
国道180号線を南下して最後の目的地、備中松山城を目指す。その道中にあるのが井倉狭・・・なのだが、特に止まることなく素通りすることに。
萩の秋吉台同様のカルスト台地。それっぽい石灰岩の壁面が見えたので停まろうかと思いつつ、結局スルーしてしまった。ナビの案内ではもう少し先と出ていた為。
どうやら井倉狭というのは高梁川流域の滝や洞窟郡を総称した景勝地の名前で、自分の思い描いていたものは「井倉の滝」というやつだったようだ。
まあ時間もなかったし。仕方ないかな。
15:00 備中松山城
現存天守にして唯一の山城「備中松山城」到着。日本三大山城の一つでもある。山陰と山陽の境に当たる高梁の地を守るための城。
国道180号線から狭い路地を進んでいくとガードマンが。案内に従って進めばシャトルバスの発着場へと到着する。どうやら休日は狭い路地での出会い頭事故などを防ぐために、迂回路の設定を行っている模様。
シャトルバスは15分間隔で運営され、特に待つこともなく乗ることが出来た。バスはかなり狭い道を登って行く。窓越しに外の風景を見れば、断崖絶壁だがガードレールもない急カーブを結構な速度で走り抜ける感じで、何かあれば真っ逆さまだなと玉ヒュン。5分ほどで上の駐車場へ到着する。ここからは歩き。
割ときつめの坂と石段を登って行くので一苦労。踵のないライディングブーツでのお城巡りはこういう時きつい。すぐに汗が噴き出してきて防寒トレーナーも脱いで来ればよかったと後悔。ショルダーバッグの中にタオルが入っていたのは救いだった。
山道を30分弱歩くといきなり石垣が出現。あとは何でこんな山の中にこれほどの石垣があるんだとびっくりするばかり。
山城の石垣と言えば群馬の金山城を思い出させる。日本三大山城とはここと岩村城、高取城のことで、確かにその二城も石垣は凄かったが印象に薄い。きっと山道を苦労して登って来た末に見る石垣だからインパクトが違うのだろう。
この城も昨日訪問した竹田城同様「天空の城」と呼ばれている。霧に包まれた中、山頂に浮かぶお城が天空城を思わせるからだそうだ。ほかにも日本のマチュピチュとかいう呼び名があるそうだが、まあとってつけたような感じで好みじゃないな。
石を切り出して積んでいった石垣だけでなく、天然の岩肌をそのまま利用したような箇所もあり興味深い。荒々しさと共にさらなる堅牢さを感じさせる。
立派な石垣はNHK大河「真田丸」のオープニングにも使用されたそう。ほかにも土塀なども一部現存で残っており興味深い。見て回ったがどれが当時のものなのか良くわからなかった。
天守は割と小ぶり。確かにこれなら廃城令後も壊されずに放置されたというのもわかる。
本丸には猫が。現在の城主である「さんじゅーろー」とのこと。
18:00 倉敷
予想通り松山城見学はかなり時間を費やすことになり、17時頃現地出発。1時間ほどで宿泊地の倉敷到着。何故か倉敷で神奈川県横浜名物の家系ラーメンを食す。うまし。
そういえば昨日から、道中「隼」とすれ違うこと多し。 メガスポの得意とするコースでもなかろうにと思ったら、あの「隼」駅って鳥取県にあって割と近いのね。もしかしたらイベントでもあったのかもね。
本日の走行距離233.2km。
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