2024年9月9日月曜日

エイリアン:ロムルス

  エイリアンシリーズの最新作「エイリアン:ロムルス」を観に行った。コロナワールド小田原にて鑑賞。会員権が切れていたので再加入。1200円のサービスチケットがもらえたのでさっそく使用した。
 「エイリアン:”ロムルス”」とは何ぞや?と思ったら、ローマ帝国建国神話に登場する双子の一人で、狼に育てられたという逸話を持つ。壮大なサーガの幕開けか?と思ったが、舞台となる宇宙船の名前だった。

 最近のエイリアンシリーズと言えば、開祖であるリドリー・スコットが「プロメテウス」「エイリアン・コヴェナント」という斜め上の展開で観客数が激減。シリーズ滅亡の危機を迎えていた。
 なお調べてみたらエイリアンシリーズ(AVP含む)は米国内での興行が良かったのが「1」「2」くらいで他はトントンか爆死。確かに陰湿な展開とキャラクターなので元来メジャーヒットは難しい作品。
 そんなこともあって今作は何度か聞いた「原点回帰」を標榜。舞台を第一作と二作の間としたことで古来のファンをニヤリとさせるオマージュもたっぷり盛り込んだ。

 開始からなかなかエイリアンが登場しないのは第一作を踏襲したか。やっと現れたフェイスハガーが大群なれど襲い方がヌルく、結局取りつかれたのがポリコレ要員というのも何だかなー。
 その後はルールのあるアクションゲームのような展開。グロ表現は若干あれど、ホラー、ミステリー要素が皆無。閉鎖空間に閉じ込められ、少しづつ追い詰められていくというシリーズ独特の恐怖演出がなかったからか。
 室温を体温に合わせフェイスハガーからステルスするというシーンも、先にフェイスハガーの大群から襲われるというシーンがあったので二番煎じに感じた。
 そんな展開ながら、これはと思えるシーンもあり、「エイリアン=酸の血液」という脅威を「無重力」を利用して解決するのは良かった。特に重力に関して序盤から伏線を張っていたので、ここに持ってきたか!と大いに得心した。
 他、オマージュシーンは幾つもあったが、少しやり過ぎた感。媚びを売り過ぎ。好きな人はいいんでしょうけど、「これをやりたかった」という監督からのメッセージが伝わらなくて残念。

 ラストは第四作のニューボーンエイリアンを思い出させた。せっかく原点回帰したのだからゼノモーフを推すべきだったのでは?何かコレジャナイ感。肝心のゼノモーフも出番は少なめだったから猶更。
 つまらない映画ではなかったけれど及第点。そつがない秀作というか前評判の高さの割に推せる点が少なかった。賛否両論だったが狂気を感じたプロメテウス二部作や、興収的には撃沈だったが自分は好きな「4」に比べると凡作。

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