2017年4月5日水曜日

ゼルダの伝説 Breath of the Wild その2

 ずーっとハマってました。ゼルダの伝説。
 仕事が終わってから飯を食べ終わると、それこそ習慣のように遊び始め、休みの日となれば目が覚めた瞬間に、さあ続きだ今度はどの地方を探索しようか、なんて考えていた日々も終わりを迎えた。ここまではまり込んだゲームはそれこそいつ以来だろう。記憶ではドラクエ10 あたりがそうだっただろうか。しかしドラクエ10はネットゲームという心理的強制感によるもので、自分のペースでハマったという今作とは大いに違っていた。

 これまでオープンワールドのゲームはいくつか遊んできたけれど、これほど探索、散策が楽しかったゲームは初めて。それまでのゲームはクリアのためにフィールドを進んでいただけで、このゼルダのように探索のためにフィールドを駆け巡ったのは初めてかもしれない。
 オブリビオンやスカイリムは、グラフィックこそ奇麗なれどゲーム的演出はほとんど皆無で、CGで作られた世界を一人称視点で見る、体験することが中心で、戦闘などがあまりにも貧弱に感じてしまいのめり込むことができなかった。
 ゼノブレイドクロスはWiiUならではの入力デバイス(ゲームパッド)に助けられつつ、各地の情報タワーを再起動するという目的でフィールド探索を楽しむことができたが、見えているのに行けない場所が多くあり、これはストーリーを進めてドールという移動手段を新たに得なければならないという制約が探索の楽しみを奪っていたように思う。
 対して今回のゼルダは前回のレビューでも述べた通り、がんばりゲージや気候の変動などの制約を課しているとはいえ、食料やアイテムなどですぐにクリアできてしまう程度のものであり、基本的にはほぼ自由に行きたい場所へ行ける。さらに行った先には試練の祠やコログのミニイベント、絶景などが広がり、今度はあそこへ行ってみようと思わせる動機付けも見事だった。暖かさを感じるトゥーンレンダリングを用いたグラフィック表現とゲーム的演出が融合され、リンクを動かしていることが楽しい。

 自力でみつけた試練の祠は最終的に106個。全部で120個あるらしく、すべて発見とはならなかったが、クリアしたので情報解禁してほかの祠も回ってみたい。隠しアイテムやイベントもあるらしいので楽しみ。
 コログの実に至っては900個もあるらしく、現在100ちょいしか集めていないのでまだまだ行っていない場所があるのだろうな。

 祠や神殿の謎はだいたいが簡単なものだったが、一部頭を悩ませられたものもある。
 ・足場がなくてスイッチを踏めない
   床一面水びたしなので、凍らせて足場にすればいい
 ・距離的に遠いスイッチを入り切りする必要がある
   レーザーの出る箱を移動する板の上に置けばよい
 ・ラクダの神殿全般。回転構造が把握できない
   落ち着いて進めると、梯子や起動スイッチに気付く
 どれも解いてしまえば「何だ」と言わんばかりのものだったが、わからないうちは悩んだし、解けた時の快感もひとしお。ゼルダの伝説らしいし、ストーリーの進行に必須ではないので他を進めることができるというのも遊びやすかった。

 戦闘は最後のガノン戦を含めそれほど難易度は高くない。しかし奇麗に勝つためには技術や経験が必要だったりするのが面白い。いつでも食事をすれば体力は回復できるし、試練を進めれば十分なハートも貯まるし。
 これまでのゼルダの伝説も倒し方を考えつけばそれほど大変な戦いというのは記憶にないので、難易度の低さは今回に限ったことではないのだろうが、探索を中心として初心へ回帰した今作全体のバランスとしても丁度よかったと言える。

 最後は「時のオカリナ」を思い出させる演出もあり、ゼルダ姫の健気さも相まって感動。
 ストーリー自体はそれこそ第一作からずっと代わり映えしないが、安定のマンネリ感も心地よい。むしろこのマンネリ感の中で新しいゼルダ姫を打ち出せたし、タイトルが「リンクの冒険」ではなく「ゼルダの伝説」足りえたなと感じた。
 細かく言えば水、火、風、砂漠と四つの神獣を開放するための経緯がどれも同じ展開だったのは残念だったかな。
 ・長い道のりを進んで村へ到着
 ・神獣を治めるために誰かが行動を起こしている、窮地に陥っているので助ける
 ・神獣の中に入って謎解きと厄災と戦う
 この繰り返しだったのが各エピソードを浅くしてしまっている気がする。自分はゾーラの里を最初に訪れたため、ミファーのエピソードだけは深く心に刻まれたが、リト族、ゴロン族、ゲルダ族と訪問する順番ごとに印象は薄れている。
 これはクリアまでにリンクが成長してしまい、道中の苦難が減じていくことと比例しているのかもしれず、一本道のストーリー展開を取らず、どこから始めてもどこへ行っても良しとしたゲームシステムにおいては避けられないか。
 各英雄のエピソードについてもう一歩踏み込みが欲しかったように思う。

 エンディングで流れるスタッフロールの最後に、現在の社長である君島さんと並び、前社長である故岩本さんの名前を見た時は泣けてしまった。ゼルダの伝説の完成とその評判を見届けたかっただろうなと。ゲーム業界は一本のヒット作でガラッと流れが変わることがある、という正にその一本だったし、であればこの作品が WiiU で早い時期に発売されていたらとも思ってしまう。いやそれでもコンセプトのわかりやすい Switch あったればこそだったか。歴史の if だな。
 さあ攻略情報サイトを覗いて発見できなかった試練の祠めぐりと、ミニチャレンジクリアを目指すとしようか。

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