2015年12月30日水曜日

パンドラの塔

 またWiiのヴァーチャルコンソールソフトである「パンドラの塔」を遊ぶことにした。

 購入のきっかけはレギンレイヴと同じ理由。ダウンロード開始からしばらくは安く買えたため。
 パッケージ版発売時はコメディアンの笑い飯がゲーム紹介をしており、ストーリーとギミック。グラフィックのきれいさ、アクションなどをセールスしていた記憶がある。
 しかしパッケージ版は買わず。理由としては、発売当時はPS3の高精細グラフィックが主流となってしまって、きれいとは言ってもWiiレベルではフルプライスで戦えなくなっていた。しかも新規IP。同時期にラストストーリー、レギンレイヴ、ゼノブレイドが発売されたが、Wiiを応援していた自分もこの頃はさすがに力尽きた感じ。パンドラとゼノブレイドはスルーしてしまった。
 今となってはダウンロード版で手軽だし安価だし、中身重視で遊ぼうと思えるのだが。当時は時間的にも精神的にも余裕がなかったな。PS3のソフトが充実し始めてきたのもあったし。

 このゲームは、呪いを掛けられた巫女を助けるため、勇者は13ある塔を探索し、その主を倒すというもの。剣劇アクションだがワンポイントとして鎖を操ることが出来、往年の悪魔城ドラキュラを思い出させる。
 大きな特徴は巫女に掛けられた呪い。これは呪いが進むと徐々に怪物になってしまうというもので、現状半身だけ魔物になった姿しか見ていないものの、かなりおぞましい。
 呪いを解くには主や徘徊モンスターを倒して肉を手に入れ食べさせなければならないという、ちょっとサディスティックなものとなっている。
 現在塔を二つ攻略。三つ目の途中まで進めた所。

 アクションゲームの中に鎖を使ってアイテムを操作したり、簡単な謎解きをしていったりという場面があり、ゼルダの伝説に似たような感じ。グラフィックもPS3はじめとするHDゲームに負けまいと一生懸命書き込みがなされている。残念ながらポリゴン表示限界やドット数の荒さできれいと言えないのが哀しい。
 リモコンヌンチャクで割と楽しげなアクションが展開され、ポインタを使って鎖を操作する所もWiiらしくて良いのだが、残念なのはカメラワーク。Wiiには他の機種でいう所の右スティックが無いため視点を自分で操作することが出来ない。よってある程度のスクロールはするものの、昔のバイオハザードのように決められた視点で固定されてしまう。そのため進行方向の先を見通せないことがしばしばある。
 アクションゲームとしては結構致命的で、敵がいるかどうか確認したり、ジャンプ後の着地点を事前に予測したりできない。狭くて長い通路を歩く際、脇にそれてしまったりする。
 制作側でもこれは問題視していたようで、入力方向に補正が掛かったり、急な場面展開となっても同一方向にスティックを倒しておけば、そのまま進んでいけるようになっていたりするが、逆に言えば手元の入力方向と画面内のキャラの進行方向が別々になってしまうという結果となり、ちょっと混乱してしまう。

 素材を集めてアイテム合成。武器の進化、錬成など、最近流行の要素も取り入れられているが、個人的には大量の細々したアイテム管理をさせられるのが苦痛だし、素材集めというストーリーから離れた行動を強いられるのは時間が無い身にとっては辛い。
 合成でアイテムを作る際も、情報を知らなければ何を作って良いかわからず、また適当に作ってしまうとあとで必要となる素材を消費してしまいかねないという状況。どうにも好きになれない。

 キャラクターは勇者の主人公、ヒロインである巫女さん、お助け商人婆さんなどよく描かれている。基本的に一人ずつの描画で良いことからクオリティが高く、Wiiにしては上出来。解像度を度外視すればPS3レベルになっていてお見事。特にヒロインの可憐さとは上記ストーリーの肝である「何も出来ないお姫様を守る王子様」からして大事な部分。多大な努力がなされたのであろう。

 主人公と巫女は先の大戦で敵国同士だった。巫女を襲った黒い影の謎。商人ばあさんの正体。ヒロインが主肉を食べる度に見るビジョンなど、ストーリーはまだまだ序盤で手探り状態。グラフィックとカメラワーク以外は本当に丁寧に作られており、現時点でいわゆる「Wiiのうもれた名作」の一つであろうという気はしている。

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