2023年11月4日土曜日

ゴジラ-1.0

  ゴジラ映画の新作「ゴジラ-1.0」を観てきた。
 日中はツーリングに出掛けたため、初日のレイトショーを予約。祭日にあたる11月3日ということもあり、割とお客さんは多く感じた。前作「シン・ゴジラ」や海外のモンスターバースでゴジラシリーズが復権したということもあるのだろう。

 鑑賞後の感想としては、微妙に残念な感じ。特にドラマシーンに燃えなかった。
 そもそも終戦直後を舞台として、生き残ってしまった特攻隊員が罪悪感を感じて過ごしていくというテーマに乗り切れず。何で今、戦後?と時代錯誤感甚だしい。主人公の葛藤も偶然の出来事で生き残ってしまったというならまだしも、「生きたい」という衝動から特攻回避、ゴジラへの攻撃を躊躇。そもそも生への渇望が強く、生き残ったことへの罪悪感とは矛盾を感じてしまう。
 こうした矛盾感は主人公の生き方だけでなく、ヒロインや近隣住民の気持ちの変遷が描かれないこと、とってつけたようないい人ばかりということなど、ありがちな人ばかりが登場してこうなるだろうな、という展開で話が進んでいく。人間ドラマ部分はつまらんなぁと思いつつ見ていた。
 また太平洋戦争は山崎貴監督の得意分野なれど、邦画の戦争映画にありがちな暗い雰囲気とお涙頂戴展開はどうも好きになれない。

 ゴジラの銀座襲撃シーンは第一作をオマージュしながら、最後には原爆を思わせる大爆発に黒い雨といったここまでやるかと感心した。GMKで見たきのこ雲を越えた。ただし日劇前でひと暴れしてうやむやのまま終了というのは物足りない。
 とは言えここまで破壊の限りを尽くした厄災に対して、最後の幕引きはどうするのかというのは興味深く、まさか超兵器を出してしまうのか?と思ったら、水圧を利用して退治するという実現できそうなアイデアだったのは良かった。
 戦闘機の特攻や生き残ったヒロインなど、陳腐で蛇足的な展開は辟易。最後の再生する細胞というのもゴジラは死にませんと言いたげな東宝上層部の頭の固さを感じさせた。

 ゴジラのシーンは〇。それ以外の陳腐な戦後ドラマには乗り切れずという感じ。

0 件のコメント:

コメントを投稿